準長石

準長石について

準長石（じゅんちょうせき、英: feldspathoid）は、ケイ酸塩鉱物の一群であり、長石に似ている特性を持つにもかかわらず、含まれるSiO2（二酸化ケイ素）が少ない点が大きな特徴です。この鉱物は、主にSiO2が乏しい岩石に見られますが、他のSiO2を多く含む鉱物、例えば石英とは一緒には存在しません。

日本の地質は一般的にケイ酸を多く含むため、準長石のような鉱物の存在は比較的少ない状況です。このことから、準長石は特定の地域や条件下でのみ見られる珍しい鉱物といえるでしょう。

準長石の種類

準長石にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる化学組成を持っています。以下は代表的な準長石の種類です：

1. 霞石（ネフェリン、NaAlSiO4）: これは六方晶系に属し、主にナトリウムとアルミニウム、ケイ素から構成されています。
2. カリ霞石（カルシライト、KAlSiO4）: 同じく六方晶系に分類される鉱物で、こちらはカリウムを含んでいます。
3. 灰霞石（カンクリナイト、(Na,Ca)7-8Al6Si6O24(CO3,SO4,Cl)1.5-2・1-5H2O）: この鉱物も六方晶系で、非常に複雑な化学組成を持っています。
4. 白榴石（リューサイト、KAlSi2O6）: この鉱物は正方晶系に属性付けられています。
5. 方ソーダ石（ソーダライト、Na4Al3Si3O12Cl）: 等軸晶系に属し、ナトリウム、アルミニウム、ケイ素、そして塩素を含んでいます。
6. 藍方石（アウイン、(Na,Ca)4-8Al6Si6O24(SO4,S)1-2）: 等軸晶系の鉱物で、硫酸塩や硫黄も含んでいます。
7. 黝方石（ノゼアン）: これも準長石の一種として位置づけられています。
8. 青金石（ラズライト）: 鮮やかな青色を持つ鉱物で、独特の色彩が特徴です。
9. 方沸石（アナルサイト、NaAlSi2O6・H2O）: 等軸晶系に属し、ナトリウム、アルミニウム、ケイ素、水分を組み合わせた特性を有しています。

準長石の関連項目

準長石は他の鉱物と比較する際、特にケイ酸塩鉱物や造岩鉱物との関連性が強いです。これらの鉱物は、地球の地殻を形成する重要な成分であり、また工業的にも広く利用されています。長石に関する知識も、準長石を理解する上で重要です。

参考文献

• - 黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年
• - 益富壽之助『原色岩石図鑑 全改訂新版』保育社、1987年

このように、準長石は特異な特性を持つ鉱物群であり、自然界において重要な役割を果たしています。

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