澤木元雄

澤木 元雄（さわき もとお）

澤木元雄（1884年9月27日 - 1975年12月19日）は、大正から昭和にかけて活躍した日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将。エリート養成機関である陸軍大学校を卒業し、歩兵連隊長や師団参謀といった部隊勤務のほか、参謀本部、陸軍士官学校、陸軍戸山学校などでも要職を歴任。太平洋戦争期には、陸軍司政長官として日本軍政下のジャワ島における統治の一翼を担いました。

略歴

澤木は1884年（明治17年）、東京にて澤木直則の三男として生を受けました。その後、1909年（明治42年）に分家の澤木直行の養子となっています。

1904年（明治37年）10月、陸軍士官学校（第16期）を卒業し、翌11月には陸軍歩兵少尉に任官。歩兵第3連隊補充大隊に配属されました。士官学校の同期には、後に陸軍大将として重きをなした岡村寧次、土肥原賢二、板垣征四郎、安藤利吉らがいました。

1907年（明治40年）に陸軍歩兵中尉に進級した後、1910年（明治43年）12月、陸軍大学校に入校。在校中に陸軍大尉となり、卒業を控えた時期には原隊である歩兵第3連隊の中隊長を務めました。1913年（大正2年）11月、陸軍大学校（第25期）を卒業しています。

将校としての経験

陸軍大学校卒業後、澤木は多様なポストを経験しました。

1915年（大正4年）からは陸軍士官学校で教官を務め、後進の指導にあたります。
1917年（大正6年）には将校生徒試験常置委員を経験。
同年8月には参謀本部部員となり、軍中央での勤務に就きました。1919年（大正8年）には陸軍兵器本廠付。
1920年（大正9年）8月、陸軍少佐に昇進。
1922年（大正11年）2月には歩兵第44連隊大隊長、翌年には第13師団参謀を務めるなど、部隊勤務も経験しました。
1924年（大正13年）8月に陸軍中佐に進級後、陸軍戸山学校教官、続いて研究部主事を務めました。

少将昇進と予備役、戦時下の司政長官

1928年（昭和3年）3月、陸軍大佐に進み、高崎連隊区司令官に着任しました。1930年（昭和5年）3月には歩兵第46連隊長を務めます。

そして1932年（昭和7年）8月、陸軍少将に進級。しかし、翌1933年（昭和8年）8月には予備役に編入され、現役を離れました。この時、従四位に叙せられています。

太平洋戦争中の1943年（昭和18年）2月、澤木は陸軍司政長官に任命され、軍務に復帰します。同年4月にはジャワ島へ赴任し、瓜蛙（現在のボゴール）軍政監部付を経て、5月には瓜蛙ボゴル州長官に就任。現地統治の責任者として職務にあたりました。在任中の1944年（昭和19年）8月には、勲二等瑞宝章を授与されています。

帰国、終戦、そして公職追放

1944年（昭和19年）8月、陸軍省軍務局付となり、ジャワ島から日本へ帰国。9月に福岡に上陸後、同年12月には依願により本官を免ぜられました。

終戦間際の1945年（昭和20年）3月には、臨時召集を受けて徳島連隊区司令官を務めます。しかし、終戦を迎えた後の同年9月28日、召集解除となりました。

戦後、1947年（昭和22年）11月28日には、連合国軍総司令部（GHQ）による公職追放の仮指定を受けています。

親族と栄典

澤木元雄には、陸軍大佐の兄・澤木貞雄がいました。また、別の兄である澤木外雄は、日露戦争中の1905年（明治38年）3月9日、奉天会戦において歩兵大尉として戦死しています。

澤木元雄自身の栄典としては、1904年（明治37年）12月8日に正八位、1944年（昭和19年）8月15日に勲二等瑞宝章を受章しています。

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