激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー

概要

『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』は、1997年3月14日にリリースされた東映制作のオリジナルビデオ作品です。スーパー戦隊シリーズ『激走戦隊カーレンジャー』のスピンオフであり、『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』に続く、スーパー戦隊OVシリーズの第2弾となります。前作同様、本作も前年のスーパー戦隊シリーズ『超力戦隊オーレンジャー』とのクロスオーバー作品として制作され、2大戦隊の巨大ロボットが共演する点が特徴です。

物語は、『カーレンジャー』本編の第37話以降、第45話より前の出来事として位置づけられています。カーレンジャーとオーレンジャーは互いの存在を知らず、レッドレーサーはマシン帝国バラノイアを知らないため、誤解から騒動に発展します。さらに、オーレッドが宇宙暴走族ボーゾックを味方と勘違いするなど、コミカルで強烈な『カーレンジャー』の作風が『オーレンジャー』を巻き込む展開となっています。三浦参謀長役の宮内洋は、当初「こんな戦隊はおかしい！」と戸惑っていましたが、監督の説得を受け、参加するうちにカーレンジャーを理解し、楽しんで演じるようになったそうです。

このナンセンスな作風は、『カーレンジャー』テレビシリーズの脚本家である浦沢義雄氏によるところが大きいですが、浦沢氏はヒーローというジャンルやキャラクターにこだわりがなく、「面白いこと」だけを追求したいという考えだったため、戦隊同士の共演作品は不自由さを感じたそうです。宮内洋の登場は、髙寺成紀プロデューサーの意向やアイデアによるものだと浦沢氏は語っています。

あらすじ

ボーゾックは暴走車が不足していたため、暴走皇帝エグゾスが「家出したくなるガソリン」を提供します。ボーゾックのガソリンスタンド店員・SSスタタンゾは、このガソリンを地球の自動車に注入する任務を受けます。

一方、レッドレーサーは、オーレンジャーに追われるマシン獣バラモビルと遭遇します。オーレッドとオーブルーが国際空軍・オーレンジャーであることを説明しても、レッドレーサーは理解できず、見た目で判断するのは良くないとバラモビルをかばおうとします。2大戦隊は巨大ロボットまで繰り出して戦い、そこにボーゾックがオーレンジャーに加勢したため、事態はさらに混乱します。紆余曲折を経て、カーレンジャーとオーレンジャーは和解しますが、バラモビルとボーゾックは手を組み、オーレッドはSSスタタンゾに捕らえられてしまいます。

オーレッドを救うため、カーレンジャーは三浦参謀長による過酷な特訓を受け、オーレンジャーロボの操縦技術を習得します。その後、カーレンジャーは敵の本拠地バリバリアンに突入し、オーレッドを奪還します。最終決戦では、暴走皇帝エグゾスも参戦しますが、シグナルマンの助けもあり、2大戦隊は勝利を収めます。

オリジナルキャラクター

SSスタタンゾ
ボーゾックのガソリンスタンド店員で、「スタタンゾ」が口癖。エグゾスが用意した「家出したくなるガソリン」を地球の車に給油し、暴走車に改造する作戦を実行。シグナルマンの言葉で車たちが故郷を恋しがって帰ってしまい、作戦は失敗。その後、パワーアップして再登場し、ガソリンを炎に変える能力を身につけた。オーレッドを拉致するも、最後はVRVロボに倒される。

バラモビル
バラノイアの生き残りであるマシン獣。車と人間を合成した「車人間」を大量生産し、全宇宙を征服しようと企む。オーレンジャーとの戦いで傷を負い温泉で休んでいたところ、レッドレーサーと出会う。後にボーゾックと手を組み、オーレンジャーロボに倒される。

ノリシロン-増刊
エグゾスが発行した宇宙ランド増刊号の付録である巨大ロボット。割りピンと糊で作られた組み立て済み状態で、SSスタタンゾの援護に送られた。ビームを出す角を武器とする。VRVロボとオーレンジャーロボを襲撃するが、サイレンダーに倒される。

スタッフ

プロデューサー：髙寺成紀、加藤和夫
原作：八手三郎
脚本：浦沢義雄
音楽：佐橋俊彦、横山菁児
アクション監督：J.ムラカミ
監督：坂本太郎
撮影：いのくままさお
特撮監督：佛田洋
製作：東映、東映ビデオ

キャスト

陣内恭介 / レッドレーサー：岸祐二
土門直樹 / ブルーレーサー：増島愛浩
上杉実 / グリーンレーサー：福田佳弘
志乃原菜摘 / イエローレーサー：本橋由香
八神洋子 / ピンクレーサー：来栖あつこ
星野吾郎 / オーレッド：宍戸勝
四日市昌平 / オーグリーン：正岡邦夫
三田裕司 / オーブルー：合田雅吏
二条樹里 / オーイエロー：穂高あゆみ
丸尾桃 / オーピンク：さとう珠緒
三浦尚之参謀長：宮内洋
ゾンネット：七瀬理香

声の出演

ガイナモ：大竹宏
ゼルモダ：津久井教生
グラッチ：長嶝高士
SSスタタンゾ：高戸靖広
バラモビル：渡部猛
ダップ：まるたまり
シグナルマン：大塚芳忠
暴走皇帝エグゾス：小林修

スーツアクター

横山一敏、大藤直樹、竹内康博、大林勝、中川素州、田辺智恵、蜂須賀祐一、福沢博文、森美昭、伊藤慎、神尾直子、O-BITOH

音楽

オープニングテーマ：「激走戦隊カーレンジャー 〜フルアクセルヴァージョン〜」歌：高山成孝
エンディングテーマ：「天国サンバ」歌：高山成孝
挿入歌：「白バイ野郎シグナルマン」、「虹色クリスタルスカイ」、「激走合体!! RVロボ」、「オーレ! オーレンジャー」、「絶対勝利だ！VRV」（インストゥルメンタル版が使用）

メディア

1997年3月14日：VHSレンタル開始
1997年3月21日：レーザーディスク発売
1997年7月21日：VHS発売
2001年2月21日：DVD発売
2016年3月23日：ブルーレイディスク発売（スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray BOX 1996‐2005に収録）
2019年2月6日：ブルーレイディスク分割発売開始（スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray 1996‐1998に収録）

脚注

注釈

出典

参考文献

『スーパー戦隊VSシリーズ 超記録ファイル』角川書店、2001年9月25日。ISBN 4-04-853385-1。
『30大スーパー戦隊超全集』小学館、2007年3月8日。ISBN 978-4-09-105112-7。
『海賊戦隊ゴーカイジャー公式読本 豪快演義 SUPER SENTAI 35th UNIVERSE』グライドメディア、2012年6月1日。ISBN 978-4-8130-8173-9。
『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 [下之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』グライドメディア、2012年10月16日。ISBN 978-4-8130-2180-3。
『「スーパー戦隊」vs「メタルヒーロー」超解析！』宝島社、2018年5月30日。ISBN 978-4-8002-8348-1。

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