渡部猛

渡部猛

渡部猛（わたべ たけし、1936年3月21日 - 2010年12月13日）は、日本の声優および俳優であり、その声は多くの作品で多様なキャラクターに命を吹き込んできました。彼は高知県の出身で、地元の演劇部で活動を始め、その後、ラジオ劇団に加入し、演技を学びました。

来歴

小学校の学芸会をきっかけに演技に目覚めた渡部は、中学時代に演劇部に所属。高知小津高等学校では、演劇を本格的に学びました。地元のラジオ局で劇団に入り、演技の道を進むことを決意します。「東京に行けば映画もできるかもしれない」との思いから、彼は上京しますが、最初の10年間は収入に苦しむ時期を過ごしました。児童劇団に参加しながら小さな映画に出演するも、なかなか道は開けませんでした。いくつかのアルバイトを経て、遂にアテレコの扉を開きます。

明治大学の演劇学科には在籍しましたが中退。その後、仲間と共に劇団を立ち上げるも、経済的には厳しい運営を強いられました。このようななか、テレビ時代劇のアテレコから彼の声優活動がスタートし、アメリカのテレビ映画にも参加するようになります。最終的には81プロデュースに所属し、多くの作品で活躍しましたが、2010年に肺炎で亡くなることになります。74歳でした。

人物

渡部は特にその太い声で知られ、悪役のキャラクターに定評がありました。特撮作品では怪人役を多くこなす一方で、優しさを持つ中年男性や老人の役を演じることもありました。その独特な方言である土佐弁も特徴で、1980年のNHK大河ドラマ『獅子の時代』では方言監修も担当しました。趣味はテニスや読書、ドライブ旅行です。

代表作とエピソード

渡部は多くのアニメや特撮に参加し、その役柄には幅広いジャンルが含まれています。特に『宇宙刑事ギャバン』のドンホラー役は、他の声優が降板した際に彼が担当することになりました。また、『北斗の拳』の牙大王役では、ケンシロウに倒されるシーンでアドリブを入れ、自らの名前を叫ぶという逸話もあります。彼は声質が似ている柴田秀勝と共演した際に声を変えたりするなど、演技に対する真摯な姿勢が窺えます。

主な出演作品

テレビドラマ

• - 三匹の侍
• - NHK大河ドラマ『獅子の時代』
• - 新五捕物帳

映画

• - 東京湾炎上
• - 戦争と人間

テレビアニメ

• - あしたのジョー
• - 北斗の拳
• - クレヨンしんちゃん

特撮

• - 宇宙刑事ギャバン
• - 仮面ライダーBLACK

渡部猛の多彩な役柄は、今も多くのファンに愛され続けています。彼が残した功績は、日本の声優界において非常に重要なものとなりました。2012年には、第6回声優アワードにて特別功労賞も授与されています。

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