無線従事者規則

無線従事者規則について

無線従事者規則（平成2年郵政省令第18号）は、電波法に基づき、無線従事者および船舶局無線従事者証明に関する事項を定めた郵政省令です。この規則は、無線通信業務に携わる人々の資格、試験、免許、講習などについて詳細に規定しており、無線通信の円滑な運用を支える重要な役割を果たしています。

規則の構成

無線従事者規則は、以下の章と節で構成されています。

第1章 総則：規則の目的や用語の定義など、基本的な事項を定めています。
第2章 国家試験：無線従事者の資格を得るための国家試験について規定しています。
第1節 試験の方法及び科目
第2節 試験の一部免除
第3節 試験の実施
第4節 学校等の認定
第3章 養成課程の認定：無線従事者を養成する課程の認定について規定しています。
第3章の2 学校の卒業者に対する免許の要件等：学校の卒業者が無線従事者免許を取得するための要件などを定めています。
第4章 資格、業務経歴等による免許の要件等：資格や業務経歴を有する者が免許を取得するための要件などを定めています。
第5章 免許：無線従事者の免許に関する規定を設けています。
第6章 証明：船舶局無線従事者証明に関する規定を設けています。
第1節 証明の手続
第2節 訓練の課程の認定
第7章 主任講習：無線設備の操作を行う者を監督する主任[[無線従事者]]になるための講習について規定しています。
第8章 指定講習機関：主任[[無線従事者]]講習を実施する機関の指定について規定しています。
第9章 指定試験機関：無線従事者国家試験を実施する機関の指定について規定しています。
附則：規則の施行期日やその他必要な事項を定めています。

用語の解説

規則で使用される主な用語について解説します。

養成課程：無線従事者の免許を取得するための教育課程で、国家試験の合格を必要とせずに免許を取得できる場合があります。
長期型養成課程：1年以上の教育課程で、無線通信に関する科目を設けている学校などが認定を受けて行う養成課程です。
証明：船舶局無線従事者証明のことで、船舶局の無線業務に従事できることを証明するものです。
講習：無線従事者講習のことで、主任[[無線従事者]]になるための講習を指します。海上、航空、陸上の3種類があります。
指定講習機関：総務大臣が指定した主任[[無線従事者]]講習を実施する機関です。
指定試験機関：総務大臣が指定した無線従事者国家試験を実施する機関です。
認定講習：資格や業務経歴を有する者が、上級資格を取得するための講習です。
訓練の課程の認定：船舶局無線従事者証明を得るための訓練課程で、新規訓練と再訓練があります。
法：電波法のことです。

国家試験について

無線従事者規則では、23種類ある無線従事者の国家試験について規定しています。一部の資格では、試験科目の一部免除が認められており、特定の資格を持っている場合や、認定を受けた学校を卒業した場合などに免除を受けることができます。

養成課程について

養成課程は、国家試験を受けずに無線従事者の免許を取得できる制度です。規則では、第三級・第四級海上無線通信士、航空無線通信士など、15種類の無線従事者資格を対象とした養成課程が規定されています。

学校の卒業者に対する免許の要件

規則では、特定の学校を卒業した者が、無線従事者の免許を取得するための要件を定めています。

資格、業務経歴等による免許の要件

特定の資格や業務経歴を持つ者が、認定講習を受けることで、無線従事者の免許を取得できる制度も設けられています。

その他

認定施設者や第三級・第四級海上無線通信士の認定講習課程実施者は、株式会社であっても実施することができます。
学校卒業者に対する免許申請では、科目履修証明書や卒業証明書が必要です。ただし、学校の科目内容が事前に総務大臣に確認されている場合は、一部書類が不要となります。
船舶局無線従事者訓練課程は、国（総合通信局）も実施しています。
無線従事者の免許証は、プラスチックカードで発行されます。

沿革

無線従事者規則は、無線通信技術の発展や社会の変化に対応するため、何度も改正されてきました。

1950年（昭和25年）：無線従事者国家試験及び免許規則として制定されました。
1965年（昭和40年）：無線従事者の養成課程が追加されました。
1981年（昭和56年）：指定試験機関が追加され、国家試験の実施が民間に開放されました。
1983年（昭和58年）：無線従事者規則と改称され、船舶局無線従事者が制度化されました。
1990年（平成2年）：主任[[無線従事者]]講習が追加されました。
2010年（平成22年）：全ての免許証がプラスチックカードとなりました。
2022年（令和4年）：国家試験の電気通信術以外の試験をCBT（Computer Based Testing）で実施できるようになりました。
2023年（令和5年）：養成課程について、集中受講型と随時受講型を併用できるようになりました。

関連項目

主任[[無線従事者]]
無線従事者養成課程

外部リンク

* 無線従事者規則 - 総務省電波利用ホームページ

無線従事者規則は、無線通信の安全かつ円滑な運用を支えるための重要な法令です。この規則を理解することは、無線通信業務に携わる全ての人々にとって不可欠です。

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