熊谷直之

熊谷直之

熊谷直之（くまがい なおゆき）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・大名であり、直澄（なおずみ）という別名を持ちます。官位は従五位下・大膳亮、通称は伝左衛門で、若狭国三方郡大倉見城（現在の井崎城）の城主を務め、武田四老の一人として知られています。

生涯

若狭武田氏家臣から織田信長麾下へ

当初、熊谷直之は若狭国の守護であった若狭武田氏の家臣でした。元亀元年（1570年）には、武田元明に従い織田信長に臣従したと考えられています。同年には朝倉攻めに参陣し、武功を重ねました。

豊臣家への仕官

天正9年（1581年）の京都で行われた馬揃えでは、若狭衆の一員として丹羽長秀の下で行進した熊谷氏が直之である可能性があります。天正10年（1582年）の本能寺の変後、織田信長が死去すると、豊臣秀吉に仕えることとなりました。

その後、関白豊臣秀次に配属され、その家老となります。豊臣秀次から西三河高橋郡内で950石を知行し、後に5万石に加増されるなど、厚遇を受けました。

豊臣秀次失脚と切腹

文禄4年（1595年）7月、豊臣秀次が豊臣秀吉から譴責を受けた際、『川角太閤記』によれば、熊谷直之は秀次に対して謀反を勧めたとされています。秀次が高野山に蟄居させられると、その責任を取り、京都嵯峨野の二尊院で自ら切腹して果てました。秀吉は使者を送り、直之を切腹を止めさせようとしましたが、間に合いませんでした。

辞世の句は、「あはれとも問ふひとならで問ふべきか　嵯峨野ふみわけておくのふるてら」と伝えられています。

参考文献

谷口克広; 高木昭作（監修）『織田信長家臣人名辞典』吉川弘文館、1995年、157-158頁。ISBN 4642027432。
大日本人名辞書刊行会 編『国立国会図書館デジタルコレクション 大日本人名辞書』 上、大日本人名辞書刊行会、1926年、928頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879491/470 国立国会図書館デジタルコレクション。

外部リンク

* 『熊谷直之』 - コトバンク

もう一度検索