片野重脩

片野重脩（かたの しげなが）

片野重脩は、1891年（明治24年）に生まれ、1978年（昭和53年）に没した、日本の政治家であり、実業家です。立憲政友会に所属し、衆議院議員を2期務めました。また、秋田相互銀行（現・北都銀行）、秋田銘醸、羽後交通といった、秋田県を代表する企業の社長などを歴任し、地域経済の発展に尽力しました。

人物・来歴

片野家は、江戸時代には佐竹一族の戸村家の家臣を務めた士族の家柄です。秋田県横手町（現在の横手市）で生まれ、東京帝国大学法学部へ進学しますが、病気のため中退し、帰郷しました。

1922年（大正11年）には、横手町長に就任し、政治家としてのキャリアをスタートさせます。翌年には秋田県会議員選挙に出馬し、当選。その後、県会議長も務めました。1930年（昭和5年）には、衆議院議員選挙に出馬し、見事当選。2期にわたり議員を務める傍ら、秋田県の農業団体の役員も務め、農業界においてもその手腕を発揮しました。

第二次世界大戦後、公職追放となりますが、実業界で再び活躍します。秋田無尽（現・北都銀行）の社長を長年にわたって務めたほか、秋田銘醸の第四代社長、横手織物社長、羽後交通社長、秋田放送取締役なども歴任しました。

妻のソノは那波亥之助の長女であり、子には秋田あけぼの銀行の頭取を務めた片野饗一がいます。

経歴

第一高等学校卒業
東京帝国大学法学部中退
1922年（大正11年）：秋田銘醸取締役、横手町長
1923年（大正12年）：秋田県会議員
1928年（昭和3年）：秋田県会議長
1930年（昭和5年）：衆議院議員
1935年（昭和10年）：秋田県農会（後、農業会）会長
1942年（昭和17年）：秋田県森林組合連合会会長
1947年（昭和22年）：羽後交通社長
1949年（昭和24年）：秋田無尽社長
1952年（昭和27年）：秋田銘醸会長
1955年（昭和30年）：秋田銘醸社長
1973年（昭和48年）：秋田相互銀行会長
1976年（昭和51年）：秋田相互銀行顧問

衆議院議員選挙歴

1930年（昭和5年）2月20日：第17回衆議院議員総選挙（旧秋田県第2区、立憲政友会） - 初当選（19533票獲得）
1932年（昭和7年）2月20日：第18回衆議院議員総選挙（旧秋田県第2区、立憲政友会） - 2期目当選（26365票獲得）

家族・親族

片野家は佐竹一族・戸村氏の家臣の家柄です。

父：茂
母：トメ（寺田隆造の姉、姪は加賀谷富太郎の息子・信吉の妻）
妻：ソノ（那波亥之助の長女）
叔父：祐吉（妻のソノは奈良右左衛門の三女）
叔母：ヒサ
弟：復次郎（妻のリンは鎌田圓治の孫）
妹：ヒデ（夫の忠吉は婿養子で、須藤敬四郎の次男）
妹：タカ（叔父・祐吉の養子となる）

親戚には、那波三郎右衛門（那波商店、秋田県多額納税者）、加賀谷富太郎、高久多吉、板谷五郎左衛門などがいます。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録8版』人事興信所、1928年。

外部リンク

秋田銘醸
* 羽後交通

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