片野鴨池

片野鴨池の魅力

片野鴨池（かたのかもいけ）は、石川県加賀市にある面積約1.5ヘクタールの美しい池です。この池は1993年の6月10日に周辺を含む10ヘクタールがラムサール条約の登録湿地として認められ、同年の11月1日には国指定の片野鴨池鳥獣保護区（集団渡来地）としても指定されました。全区域が特別保護地区として保護されており、地域のエコシステムにとって非常に重要な場所となっています。また、越前加賀海岸国定公園にも含まれており、2010年には農林水産省によってため池百選にも選ばれています。

周辺の自然環境

片野鴨池の周囲には水田や砂丘、松林が広がっており、水田は収穫後に水を張ることで実質的に面積が広がります。この湿地帯は、マガモやトモエガモ、マガン、ヒシクイなどの水鳥の越冬地として重要であり、またオオタカやオジロワシの生息地でもあります。そのため、周囲では原則として狩猟は禁止されていますが、後述する坂網猟という特定の伝統的な猟法については解禁されています。

古式猟法・坂網猟

坂網猟（さかあみりょう）は、江戸時代の元禄年間に大聖寺藩士の村田源右衛門によって始まり、その後大聖寺藩が武士の訓練の一環として推奨していた独自の猟法です。この猟法は池の周囲に位置する高台（通称「坂場」）から、特殊な網を投げ上げて鴨を捕まえる方法です。当初は武士だけが行えるものでしたが、明治時代になり一般に開放されるようになりました。近日でも、地域の文化として坂網猟が行われています。

鴨池観察館

片野鴨池の魅力の一つは、指定管理者である日本野鳥の会が運営する「鴨池観察館」です。この観察館では、専門のレンジャーが常駐しており、来館者に対して野鳥や周辺の自然についての解説が行われています。観察館は、訪れる人々がこの大自然を深く理解し、楽しむための貴重な情報源となっています。

アクセス情報

アクセスも非常に便利です。IRいしかわ鉄道線およびハピラインふくい線の大聖寺駅からは車で約10分、JR西日本北陸新幹線の加賀温泉駅からは約15分で到着します。また、北陸自動車道の加賀ICからは約10分の距離にあります。さらに、JR加賀温泉駅から市内循環バスの「CANBUS（キャン・バス）」の海まわり線を利用すれば、「鴨池観察館」停留所で降りて約48分の時間でアクセス可能です。帰りは加賀温泉駅まで約51分となります。

片野鴨池は、自然環境や生態系を守りながら楽しむことのできる貴重な場所です。その美しい風景とともに、多様な生物観察ができる機会を提供していることから、訪れる価値が十分にあります。

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