特設公衆電話

特設公衆電話とは

特設公衆電話は、大規模災害発生時に、被災者や帰宅困難者が無料で利用できる公衆電話サービスです。地方公共団体や帰宅困難者対策協議会からの要請に基づき、NTT東日本・NTT西日本が、施設収容人数100人あたり1台を目安に設置します。災害救助法が適用されるか、それに準ずる事態が発生した場合に利用が開始されます。

一般の公衆電話と同様に、災害時優先電話として、回線が混雑している状況でも優先的に発信できます。また、通常の公衆電話機ではなく、一般の卓上用電話機を使用することで、費用を抑えています。

事前設置

事前設置される特設公衆電話は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律（国民保護法）に基づき、避難所や帰宅困難者の大量発生が予想される場所（公共施設、オフィスビル、駅、コンビニエンスストアなど）に予め設置されます。既に設置されている場合は、その数も考慮されます。

電話機、配管、設置場所は施設管理者が提供し、回線利用料や通話料は電気通信事業者が負担します。

事後設置

事後設置の特設公衆電話は、被災地の地方公共団体からの要請を受けて、事前設置されていない避難所に、閉鎖までの期間設置されます。電話回線が途絶した場合には、電話機（複数台設置）と接続用モジュラーケーブルを運ぶ機材車、そして、ワイドスター移動型地球局の2台一組で運用されます。

設置実績

過去には、2004年の新潟県中越地震で129カ所の避難所に378台、2011年の東日本大震災では延べ1201カ所に3929台の特設公衆電話が設置されました。これらの事例から、大規模災害時における特設公衆電話の重要性が伺えます。

費用負担

2013年現在、特設公衆電話の費用は、公衆電話機能の接続料原価に上乗せする形で電気通信事業者が負担しています。しかし、消費者団体などからは、公衆電話料金の値上げを抑制するために、税金による負担や、基礎的電気通信役務に指定し、ユニバーサルサービス基金で負担すべきという意見も出ています。

関連情報

災害用伝言ダイヤル
日本の公衆電話

外部リンク

* 特設公衆電話（日本公衆電話会）

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