犬塚氏

犬塚氏の概要

犬塚氏は、筑後宇都宮氏族の庶流として知られています。彼らの起源は、筑後国の三潴郡にある犬塚郷（現在の福岡県大木町）であり、その地を本拠としました。彼らの歴史は、明応年間にさかのぼり、当時の家貞が肥前国神埼郡に崎村城を築いたことから始まります。犬塚氏は、蒲池氏から独立し、少弐氏の部将として新たな道を歩み始めました。

犬塚氏の家系は家貞を祖とし、彼には五人の息子がいます。家貞の長男である家直は崎村城の城主となり、いわゆる東犬塚氏の流れを作りました。次男の家重は蒲田江城の城主として知られ、西犬塚氏の一族を形成しました。三男の家種は家直の補佐役を務め、後の西牟田氏の祖となりました。また、四男の家久は直鳥城の城主となり、五男の家喜は古賀館の主として栄えました。

犬塚氏の歴史の中で特に重要な出来事が永禄12年（1569年）に起こりました。この年、大友義鎮が龍造寺氏に対して攻撃を行ったことにより、犬塚氏の内で大きな争いが巻き起こります。崎村城の鎮直は龍造寺氏に味方し、蒲田江城の尚重は大友氏に従ったため、両者は敵対することとなりました。この戦いは激しさを増し、結果的に二人共に戦死する事態に至りました。

鎮直の遺子である家広は、その後、龍造寺隆信から300町の領地を賜ります。元亀3年（1572年）には家広が三根郡に移封され、龍造寺家の家臣として新たな役割を担うことになります。また、天正4年（1576年）には犬塚鎮家が龍造寺氏の横澤城攻めにおいて先陣を務めたことが記されており、彼らが武士としての地位を確立しつつあったことを示しています。

系譜

犬塚氏の系譜はその後の彼らの発展に大きな影響を与えました。実線で示されるのが実子の関係であり、点線は養子や婚姻関係を示しています。この系譜により、犬塚氏は代々武士としての名声を築いていきました。

参考文献

この犬塚氏に関する情報は、角川日本地名大辞典編纂委員会が作成した『角川日本地名大辞典（41.佐賀県）』に基づいています。この文献は、地域の歴史や文化を理解するための貴重な資源とされています。

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