犬塚鎮家

犬塚鎮家（いぬづか しげいえ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、少弐氏、後に龍造寺氏の家臣として活躍しました。彼は肥前国（現在の佐賀県）神埼郡小松城を拠点とし、「藤津両弾二島」の一人としてその名を轟かせました。

犬塚氏は、筑後国（現在の福岡県の一部）の宇都宮氏族である蒲池氏の庶流にあたります。彼の武将としてのキャリアは、父である家清と共に少弐資元に仕え、享禄3年（1530年）の田手畷の戦いで大内義隆と戦ったことに始まります。この戦いでの彼の働きぶりは、少弐氏からの信頼を得る上で重要な役割を果たしました。

永禄12年（1569年）には、東西犬塚氏の間で勢力争いが起こり、鎮家は西犬塚氏を支持しました。この内紛は、当時の地域における勢力図を複雑に反映しており、鎮家の政治的な立場を理解する上で重要な出来事です。

天正4年（1576年）、龍造寺隆信による肥前藤津郡横澤城攻めでは、鎮家は先陣を切って戦いました。この戦いで彼は、その勇猛果敢さを示し、龍造寺氏の勢力拡大に大きく貢献しました。彼の武勇は、龍造寺氏の家臣団の中でも際立っており、その後の彼の地位を確固たるものとしました。

天正9年（1581年）には、龍造寺政家の肥後国（現在の熊本県）侵攻に従軍しました。この戦いにおいても、彼はその武勇を発揮し、龍造寺氏の勢力拡大に貢献しました。当時の記録である「五ヶ国御領地之節配分帳」には、犬塚盛家が570町を領地として与えられていたことが記されています。この記録は、彼の龍造寺氏における貢献度と、それに見合うだけの地位を確立していたことを示しています。

龍造寺氏配下の武勇に優れた4人（大村弾正、犬塚弾正、百武志摩守、上瀧志摩守）は、「両弾二島」と呼ばれ、その武勇を賞賛されました。犬塚鎮家、すなわち犬塚弾正は、その中でも特に重要な人物の一人であり、彼の武勇と忠誠心は、龍造寺氏の勢力拡大に大きく貢献しました。彼の生涯は、戦国時代の武将のあるべき姿を示すものとして、後世に語り継がれています。

犬塚鎮家は、戦国時代の激しい動乱の中で、その武勇と忠誠心によって名を残した武将です。彼の生涯は、当時の武士の生き方を示す好例であり、歴史に名を刻む人物として、今後も語り継がれることでしょう。

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