獨協医科大学日光医療センター

概要

獨協医科大学日光医療センター（どっきょういかだいがくにっこういりょうセンター）は、栃木県日光市森友の日光産業団地に位置する医療機関です。獨協医科大学が運営する病院としては3番目に開院した施設であり、その起源は1949年（昭和24年）に栃木県塩谷郡藤原町に設立された国立珪肺療養所に遡ります。

この病院は、特に観光地である日光という立地特性を活かし、通常の地域医療に加え、観光客や修学旅行生の緊急医療対応、温泉宿泊型人間ドックや旅行透析といった医療ツーリズムへの対応も行っているのが特徴です。また、日光市三依診療所の指定管理者として、へき地医療機能の一翼も担っています。

老朽化が進んだ旧施設（日光市高徳、鬼怒川温泉近く）から、より広域からのアクセスが容易で、施設機能も大幅に強化された現在地へ移転するため、2023年（令和5年）1月1日に新病院として開院しました。この移転により、診療体制や救急・重症者対応能力が向上しています。

沿革

本センターの歴史は、戦後まもない1949年（昭和24年）に開設された国立珪肺療養所から始まります。その後、1957年（昭和32年）に労働福祉事業団が設立されると珪肺病院となり、さらに2004年（平成16年）には独立行政法人労働者健康福祉機構に業務が継承されました。現在の「獨協医科大学日光医療センター」という名称になったのは、2006年（平成18年）1月に獨協医科大学と労働者健康福祉機構の間で珪肺労災病院の移譲契約が締結されたことに伴います。

獨協医科大学の傘下に入ってからも機能強化が進められ、2016年（平成28年）4月には栃木県の災害拠点病院およびDMAT（災害派遣医療チーム）指定病院に認定され、災害時の医療拠点としての役割を担うことになりました。2017年（平成29年）には透析棟を新設し、旅行透析の受け入れを開始するなど、観光地ならではのニーズに対応する体制を整備。2019年（平成31年）4月には地域医療支援病院の承認を受け、地域の医療機関との連携強化にも取り組んでいます。

旧病院は建物の老朽化や駐車場不足、また鬼怒川と東武鬼怒川線に挟まれた立地による拡張の困難さ、さらには正面の踏切が救急搬送に影響する可能性などの課題を抱えていました。また、日光市全体をカバーする広域的な地域医療提供の観点からも、より市の中央に近い日光産業団地への移転が望ましいと判断され、2019年（平成31年）1月に正式決定されました。新病院は2021年（令和3年）9月に着工し、日光市から無償貸与された敷地に建設されました。2022年（令和4年）12月3日に竣工式が行われ、2023年（令和5年）1月1日に開院、同月4日から外来診療を開始しています。

施設・機能

新病院の敷地面積は約7.5ヘクタールで、日光市から無償貸与を受けています。建物は耐震鉄筋コンクリート造りの4階建てで、延べ床面積は約1万7700平方メートル、工事費は約90億円を要しました。病床数は旧病院と同じ199床ですが、高度治療室（HCU）4床と重症病床8床を設置するなど、重症患者に対応できる体制が強化されています。また、旧病院の課題であった駐車場不足も解消され、敷地内に520台分の駐車スペースが確保されました。ドクターヘリ用のヘリポートも備え、広域からの救急搬送や他の医療機関との連携も円滑に行えるようになっています。

本センターは、地域の中核病院として様々な指定を受けています。

保険医療機関（健康保険法・国民健康保険法）
救急告示病院
へき地医療拠点病院
栃木県がん治療中核病院
病院群輪番制病院（2次救急医療）
地域災害拠点病院
DMAT指定医療機関
地域医療支援病院

診療科

2023年12月現在、以下の21の診療科が開設されています。

呼吸器内科
消化器内科
循環器内科
脳神経内科
糖尿病・内分泌内科
膠原病・アレルギー内科
心臓・血管・腎臓内科
皮膚科
放射線科
病理診断科
外科
呼吸器外科
心臓・血管外科
整形外科
脊椎センター
泌尿器科
形成外科・美容外科
麻酔科
眼科（移転新設）
救急・総合診療科（移転新設）
* リハビリテーション科

アクセス

公共交通機関を利用する場合：
JR日光線今市駅または下野大沢駅、あるいは東武日光線下今市駅の駅前から、日光市営バスの下野大沢線に乗車し、「獨協医大日光医療センター」バス停で下車してください。

自動車を利用する場合：
東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、土沢ICから国道121号を北東方面へ向かうルート、または宇都宮市内から国道119号（日光街道）を日光方面へ約25km進むルートがあります。

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