玉泉寺 (当陽市)

玉泉寺

玉泉寺（ぎょくせんじ）は、中華人民共和国湖北省宜昌市当陽市に位置する仏教寺院であり、天台宗に属しています。その歴史的、文化的価値から、国清寺、霊巌寺、棲霞寺と共に「天下四絶」と称えられています。

歴史

玉泉寺の歴史は、南朝梁時代の大通2年（528年）に、武帝が船山寺の建設を命じたことに始まります。その後、隋代に入り、開皇13年（593年）には、智顗（ちぎ）が皇帝の命を受けて寺を建立し、この地で「法華玄義」を広めました。時の晋王楊広（後の煬帝）から「玉泉寺」の額を賜ったとされています。翌年の594年には、智顗が寺で「摩訶止観」を講義しました。

唐代の儀鳳3年（678年）には、神秀（じんしゅう）がこの地で禅宗の教えを広め、玉泉寺の名声は天下に広まりました。北宋時代の天禧5年（1021年）には、明粛皇后が寺院の再建を主宰し、真宗（しんそう）皇帝から「景徳禅寺」の名を賜りました。

明代に入ると、寺院は再び「玉泉寺」の名称に戻されました。万暦帝（ばんれき）からは「荊楚第一叢林」の額を賜り、その格式の高さを示しました。

1982年には、中華人民共和国国務院によって全国重点文物保護単位に指定され、その文化的価値が認められました。さらに、1983年には漢族地区仏教全国重点寺院にも指定されています。

重要文化財

玉泉寺には、数多くの貴重な文化財が保存されています。中でも特に重要なものとして、以下のものがあります。

石刻観音像（唐代呉道子作）： 唐代の著名な画家である呉道子（ごどうし）によって制作された観音像の石刻です。その芸術性の高さから、非常に貴重な文化財として評価されています。
玉泉鉄塔（宋代）： 宋代に建造された鉄製の塔です。当時の高度な鋳造技術を示すものとして、重要な文化財となっています。

玉泉寺は、中国仏教の歴史において重要な役割を果たしてきた寺院であり、その建築物や文化財は、中国の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。

参考文献

『当陽県志』湖北省当陽市歴史志事務室、湖北省、清乾隆59年。

外部リンク

当陽県志

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