王耀武

王耀武について

王耀武（おう ようぶ）は、1903年に生まれ、1968年に逝去した中華民国の重要な軍人であり、その後中華人民共和国で政治家として活動した人物です。彼の字は佐民で、山東省泰安県に生まれました。若い頃は、天津のタバコ工場や上海のビスケット販売店で働いており、様々な職業を経験した後、陸軍の道に進むことになります。

軍人としての成り立ち

1924年、王耀武は黄埔軍官学校に入学し、翌年には第2次東征に参加します。1926年に卒業し、国民革命軍に入隊。彼は北伐に従軍し、そこでの功績が評価されて独立第32旅第1団の団長に昇進しました。1930年には中原大戦にも参加し、その後も数々の戦闘で指導的な役割を果たしました。

1932年には、中国共産党勢力との戦闘に従事し、翌年には守備隊補充第1旅の旅長に昇進します。特に、1934年の安徽省南部での激闘では、紅10軍団と紅7軍団を壊滅させる成果を上げています。1936年には王の部隊が第11師に拡大し、王がその指揮を執りました。この年、彼は陸軍少将の位を授与されました。

日中戦争での奮闘

日中戦争の発生時、王耀武は最前線で日本軍と戦うことになります。南京防衛戦や武漢会戦、第1次長沙会戦など、多くの主要な戦闘に参加しました。1940年には第74軍の軍長に昇進し、上高会戦において功績を挙げることで、国民政府から星形栄誉旗を授与されることになります。その後も彼は長沙会戦や常徳会戦など、さまざまな戦闘で重要な役割を果たしていきます。

1943年8月には第5集団軍の副総司令に昇進し、1944年2月には第24集団軍の総司令として指揮を取り、同年には長衡会戦にも参加。1945年には陸軍中将に任命され、戦争終結後には長沙・衡陽での日本軍の降伏を担当しました。

国共内戦とその後

1946年には国民政府の第2綏靖区の中将司令官に任命され、10月には山東省政府の主席に就任するなど、政治的な役割も果たしました。しかし、1948年には済南戦役で敗北し、捕虜となる運命を辿ります。中華人民共和国の成立後は思想改造を受け、1959年には特赦によって釈放されます。

その後は、中国人民政治協商会議全国委員会で文史資料研究を行いつつ、1964年には政協の委員に選出されるなど、政治・社会活動を続けました。1968年7月3日に北京市で病を患い亡くなりました。

参考文献

• - 郭天佑「王耀武」『民国高級将領列伝 5』解放軍出版社、1999年。ISBN 7-5065-1494-X。
• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
• - 劉国銘主編『中国国民党百年人物全書』団結出版社、2005年。ISBN 7-80214-039-0。

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