琉球水道公社

琉球水道公社について

琉球水道公社（りゅうきゅうすいどうこうしゃ、Ryukyu Domestic Water Corporation）は、1958年に琉球列島高等弁務官布令に基づき設立された公社です。沖縄本島における上水道の運営管理を主な目的としていました。

設立の背景

第二次世界大戦前、沖縄の水道事業は那覇市と名護市のみで実施され、多くの住民は井戸や泉、雨水などを生活用水として利用していました。1945年に米軍が沖縄に進駐すると、那覇市泊浄水場や導水管などが修復され、近隣の軍施設に仮設給水管で水道供給が開始されました。その後、米陸軍と琉球列島米国民政府の合意により、全島統合上水道計画が発足。琉球水道公社は、この計画の中核を担う組織として設立されました。

公社の組織

琉球水道公社は、民政官のもとで理事会が置かれ、その下に総裁及び三役、そして3部7課からなる執行機関が設置されました。具体的には、以下の組織構成となっていました。

総務部: 総務課、用地課
企画財務部: 会計課、企画予算課
工務部: 技術課、保全課、浄水課

米軍との連携

公社は、駐琉米国陸軍との間で運営協定を結び、水道施設の提供や民間用水の分水を行いました。また、米軍工兵隊による水道施設の建設も進められ、沖縄における水道インフラの整備が大きく進展しました。

沖縄返還とその後

沖縄返還を前に、琉球水道公社は1971年8月1日に米陸軍施設工兵隊水道部から、1972年1月1日及び5月1日に海兵隊と米陸軍混成部隊からそれぞれ一部職員を引き継ぎました。また、シュワーブダムなどの主要な水道施設も公社に移管されました。

沖縄返還後の1972年5月15日、琉球水道公社の業務は沖縄県企業局に引き継がれました。琉球水道公社の最終年次報告書は沖縄県企業局によって発行されました。

琉球水道公社の沿革

1958年9月4日: 琉球水道公社設立
1963年8月27日: 米軍工兵隊が水道施設建設に関する公社の代行機関に指定
1966年1月1日: 米国水道協会に加入
1968年5月24日: 米軍よりプラザ配水池が移管
1968年10月10日: 米国海兵隊よりキャンプ・ハンセンダムが移管
1970年10月10日: 総裁及び秘書役が日本水道協会第7回総会に出席
1972年2月1日: 米国海兵隊雇用職員20人が公社に移管

関連情報

参考文献
琉球水道公社編『公社13年の歩み』琉球水道公社、1972年
関連項目
水道
上水道
工業用水道
琉球政府
琉球列島米国民政府
公社
沖縄県企業局
外部リンク
沖縄県企業局のホームページ

琉球水道公社は、戦後の沖縄における水道インフラの基礎を築いた重要な組織であり、その歴史は沖縄の発展を語る上で欠かせない要素です。

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