琢如

琢如（たくにょ）は、江戸時代初期に浄土真宗の僧として活躍し、東本願寺第十四代法主を務めた人物です。彼の功績として、学寮（現在の大谷大学）の創設、大谷御坊（現在の大谷祖廟）の造営が挙げられます。「琢」の字を用いるのが正式な表記です。

生涯

琢如は寛永2年7月2日（1625年8月4日）、東本願寺第十三代法主である宣如の次男として誕生しました。母は九条幸家の娘であり、後に伯父である九条道房の猶子となっています。寛永15年（1639年）に得度し、僧侶としての道を歩み始めました。

承応2年（1653年）、父である宣如の隠居に伴い、第十四代法主を継承しました。法主として宗門の発展に尽力し、寛文4年（1664年）11月には、長男である常如に法主の座を譲り隠居しました。

隠居後も、その活動は衰えることなく、寛文5年（1665年）には本山敷地内に学寮を創設し、人材育成に力を注ぎました。この学寮は、現在の大谷大学の礎となっています。

寛文10年（1670年）8月2日には、東本願寺境内にあった親鸞聖人および歴代法主の仮墓を、教如・宣如の両墓と共に、本願寺発祥の地に近い東山大谷（現在の京都市東山区）に移転し、祖廟を造営しました。この祖廟は「大谷御坊」と称され、現在も多くの参拝者が訪れる聖地となっています。

寛文11年4月14日（1671年5月23日）、47歳という若さで示寂されました。彼の遺志は後世に受け継がれ、東本願寺の発展に大きく貢献しました。

琢如の主な業績

学寮（大谷大学）の創設：宗門の人材育成に大きく貢献しました。
大谷御坊（大谷祖廟）の造営：本願寺の聖地を整備し、信仰の中心地としての地位を確立しました。

琢如は、東本願寺の発展に大きく貢献しただけでなく、浄土真宗の教えを広めるために尽力した僧侶として、後世に語り継がれています。

年齢は数え年で表示
日付は旧暦（宣明暦）で表示（生歿年月日を除く）
*本願寺を東本願寺と表記

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