琴冠佑源正

琴冠佑 源正（ことかんゆう もとまさ）

琴冠佑 源正（本名：西尾 源正）は、1966年2月2日生まれ、北海道新冠郡新冠町出身の元大相撲力士です。佐渡ヶ嶽部屋に所属し、得意手は左四つ、寄りでした。

生い立ちと入門

北海道のサラブレッド牧場を営む家庭に生まれました。中学校時代はサッカー部に所属し、相撲経験はありませんでしたが、中学卒業と同時に佐渡ヶ嶽部屋に入門し、1981年3月場所に初土俵を踏みました。

怪我と苦難、そして十両昇進

1990年夏、自転車での走行中にオートバイと接触し、右大腿部を骨折。この怪我により3場所連続で休場を余儀なくされました。怪我の影響で成績が伸び悩む時期もありましたが、懸命な努力を重ね、1996年1月場所に初土俵から89場所という、当時史上1位のスロー記録で十両に昇進しました。

十両と幕下の往復

新十両から2場所連続で十両を務めた後、幕下へ陥落。その後は幕下上位で一進一退を繰り返しました。2000年9月場所には東幕下5枚目で6勝1敗と大きく勝ち越し、同年11月場所には28場所ぶり、通算128場所目での十両復帰を果たしました。同年7月場所で北勝鬨準人が引退したため、明治時代から100年以上続いていた北海道出身の関取が一時途絶えましたが、琴冠佑の再昇進により、わずか1場所で復活しました。

その後、しばらく十両に定着しましたが、2002年9月場所を最後に再び幕下へ陥落しました。

引退

幕下でも年齢を感じさせない若々しさと安定した成績を残し、土俵際での粘り強さや、うっちゃりなどを見せていましたが、2006年9月場所8日目の対勢翔太戦後、支度部屋で勢を殴るという事件を起こしてしまいます。この事件を聞いた師匠の佐渡ヶ嶽親方から即日引退を勧告され、同場所10日目に引退届を提出、受理されました。以前からこの場所を最後に引退することを決めており、事件前の取組まで3連勝していたため、有終の美を飾る予定でしたが、自ら引退を早めることとなりました。同年10月7日には断髪式が行われました。

1993年9月場所から引退まで、一度も三段目に陥落しなかったという記録も持っています。

新十両昇進所要場所記録

1988年9月場所に十両へ昇進した貴ノ嶺明彦の84場所を上回る、89場所で新十両昇進を果たしました。この記録は2005年5月場所に出羽の郷秀之によって114場所で更新されました。

エピソード

幕下時代に一度、十両時代に一度、朝青龍明徳を破ったことがあります。
琴の洋時代には、相撲雑誌の幕下以下の話題力士を紹介するコーナーに出演した際、腕組みをする写真撮影を拒否し、腕組みをしない写真がそのまま掲載されました。
引退時の事件のため、断髪式には佐渡ヶ嶽部屋関係者は誰も出席せず、再就職先の会社社長が止め鋏を入れました。
2001年2月に結婚しました。
粗暴な印象を持たれることもありましたが、交流のあったひらがな詩人の栗栖晶を励ますなど、優しい一面も持ち合わせていました。

主な成績

通算成績：591勝525敗50休 勝率.530
十両成績：67勝98敗15休 勝率.406
通算在位：155場所
十両在位：12場所

改名歴

西尾 源正（にしお もとまさ）：1981年3月場所
琴ノ洋 源正（ことのなだ もとまさ）：1981年5月場所 - 1986年3月場所
琴ノ洋 源烈（ことのなだ もとれつ）：1986年5月場所 - 1988年7月場所
琴ノ洋 源正（ことのなだ もとまさ）：1988年9月場所 - 1994年1月場所
琴冠佑 源正（ことかんゆう もとまさ）：1994年3月場所 - 1997年1月場所
琴冠佑 源（ことかんゆう ?）：1997年3月場所 - 1997年7月場所
琴冠佑 源正（ことかんゆう もとまさ）：1997年9月場所 - 2006年9月場所

関連情報

大相撲力士一覧
40歳以上まで現役を続けた[[力士一覧]]

外部リンク

琴冠佑 源正 - 日本相撲協会
琴冠佑 源正 - 相撲レファレンス
* 佐渡ヶ嶽部屋 - 佐渡ヶ嶽部屋公式サイト

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