琴勇輝一巖

琴勇輝一巖の生涯と相撲の道

琴勇輝一巖（ことゆうき かずよし）は、1991年4月2日に香川県丸亀市で誕生し、香川県小豆島町で育ちました。彼は、佐渡ヶ嶽部屋に属し、元力士として数々の実績を残しました。本名は榎本勇起（えのもと ゆうき）で、身長175cm、体重は180kg。得意手は突き・押しで、最高位は東関脇（2016年5月場所）に達しています。

幼少期と入門前の経歴

琴勇輝は、4年生のときに善通寺市の香川相撲クラブに入会し、相撲の道を歩み始めました。中学校は近隣に相撲部のある学校がなかったため、小豆島高校の相撲部監督に頼って内海町に引っ越しました。内海町立内海中学校に通いながらも、学業にも秀でており、3年生で生徒会長を務めるなどの実績を持ちました。

高校に進学後、彼は四国四県対抗相撲選手権大会で香川県代表として初優勝を達成。その後もインターハイや国体で存在感を示し、数多くの勧誘を受けましたが、佐渡ヶ嶽部屋に入門することを決意し、高校を中退しました。母は突然の彼の決意に驚愕したことでしょう。

初土俵から関取昇進まで

2008年3月場所、琴榎本（ことえのもと）という四股名で初土俵を踏み、序ノ口から順調に昇進。彼は稽古に対し非常に熱心であり、その姿勢は周囲からも高く評価されていました。これにより、2009年3月には早くも幕下に昇進します。その後、四股名を琴勇輝一巖（ことゆうき かずよし）に変え、さらなる成長を遂げました。

2011年には初めて十両昇進を果たし、香川県から関取が誕生するのは実に7年ぶりのことでした。新十両の場所では、序盤の苦戦を経てしっかり勝ち越し、2012年には自己最高位の西筆頭へと昇進しました。ここからは彼の継続的な成長が顕著に表れます。

関取としての活躍

琴勇輝は2013年に新入幕を果たすも、続く場所では苦戦が続き、一時は十両に落ちることもありました。しかし、その後すぐに再入幕を果たし、幕内での戦績も好成績を収めるようになります。2015年には怪我を抱えながらも自己最高位の東前頭6枚目まで昇進しました。

苦難を経て引退

しかし、怪我や体調不良に悩まされる時期も多く、やがては両膝の手術を受けるという厳しい選択を余儀なくされました。2021年の3月場所を全休し、同年4月には現役引退を発表。師匠の佐渡ヶ嶽や周囲の期待を背負いながら戦い続けた彼は、引退を決断した際に膝の限界を感じていたとのことです。

引退後

現役を退いた後、琴勇輝は年寄名跡を襲名し、引き続き相撲界への貢献を続けています。彼の相撲にかける想いとその歴史は、多くの人々に影響を与え続けています。相撲の技巧に優れた力士として、琴勇輝はその名を未来に残すでしょう。彼の取り口は突き押しが基本で、特に立合いから一気に押し出すスタイルが印象的でした。

趣味やエピソード

琴勇輝は、銭湯巡りやラーメンを楽しみ、特にマクドナルドのハンバーガーが好きだったというエピソードも。母子家庭で育ち、弟の父親代わりを務めるなど、彼の人間性がうかがえる背景も多く、尊敬される力士としての生き様は相撲界にとって重要な存在となっています。

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