瑞渓周鳳

瑞渓周鳳（ずいけいしゅうほう）

瑞渓周鳳は、室町時代中期に活躍した臨済宗夢窓派の僧侶です。明徳2年（1392年）に和泉国堺（現在の大阪府堺市）で生まれ、文明5年（1473年）に82歳で没しました。俗姓は大伴氏、諱は周鳳、字は瑞渓といい、臥雲山人とも称されました。その学識と文才は高く評価され、死後には興宗明教禅師の諡号が贈られています。

生涯

周鳳は10歳の時に応永の乱で父を亡くすという不幸に見舞われました。応永11年（1404年）に京都の相国寺に上り、無求周伸に師事して出家。応永13年（1406年）に無求を師として正式に出家し、その後は厳中周噩らの下で修行を重ねました。

周鳳の才能が開花したのは、季瓊真蘂の推挙によって6代将軍足利義教に謁見したことがきっかけでした。義教はその文筆の才能を高く評価し、永享8年（1436年）には山城国（現在の京都府）の景徳寺の住持に任じました。翌年には十刹の一つである等持寺の住持となり、永享11年（1439年）の永享の乱後には、義教の命を受けて関東へ下向し、戦後処理に携わっています。

永享12年（1440年）には相国寺の第50世住持に就任し、文安3年（1446年）には相国寺鹿苑院の院主と僧録を兼務しました。その後、康正2年（1456年）と応仁元年（1467年）にも再任され、生涯で3度この役職を務めています。8代将軍足利義政にも引き続き重用され、その文才をもって室町幕府の外交文書作成に深く関わりました。

業績

周鳳の最大の業績として挙げられるのは、外交史書『善隣国宝記』の編纂です。この書物の中で、彼は足利義満が行った明との朝貢形式の外交を批判的に考察しています。また、『臥雲日件録』という日記も著しており、そこでは今参局、烏丸資任、有馬持家（またはその子である有馬元家）らを批判的に論じています。

瑞渓周鳳は、激動の室町時代において、禅僧としてだけでなく、外交官、文筆家としても多大な貢献を果たした人物として、歴史に名を残しています。

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