瓜生津隆真

瓜生津隆真

瓜生津隆真（うりゅうづ りゅうしん）は、昭和7年（1932年）9月22日に生まれ、平成27年（2015年）2月12日に逝去した、日本の高名な仏教学者であり、浄土真宗の僧侶でした。滋賀県の出身です。

背景と教育

彼の父である瓜生津隆雄もまた、龍谷大学名誉教授として知られる仏教学者であり、学問的な家系に育ちました。瓜生津隆真は、まず龍谷大学文学部で仏教を学び、その後、東京大学大学院に進みインド哲学を専攻しました。ここで専門的な研鑽を積み、仏教学の研究者としての礎を築きました。文学博士号を取得しています。

キャリア

京都女子大学において長年にわたり教鞭を執り、仏教学の研究・教育に貢献しました。同学では名誉教授の称号を得るだけでなく、学長という要職も務め、大学の発展に尽力しました。アカデミックな側面だけでなく、浄土真宗の学僧としても広く認知されており、宗教学の視点から真宗の教えを探求しました。

研究と著作

彼の研究は、仏教学、特にインド仏教から日本の浄土真宗まで幅広い分野に及びました。特に、大乗仏教における重要な思想家である龍樹（ナーガールジュナ）の研究は評価が高く、『ナーガールジュナ研究』として結実しました。また、真宗の信仰や教義についても深く考察し、『信心と念仏』、『真宗がわかる20のQ&A』といった著作を通じて、その理解促進に努めました。浄土三部経や蓮如上人に関する著作も多く、聖典の解説や現代語訳を手がけました。彼の主要な著書には以下のようなものがあります。

『ナーガールジュナ研究』（春秋社、1985年）
『信心と念仏〈現代の真宗8〉』（弥生書房、1990年）
『浄土三部経3 阿弥陀経〈聖典セミナー〉』（本願寺出版社、1997年）
『蓮如上人御一代記聞書 現代語訳』（大蔵出版、1998年）
『仏教を生きる4 慈悲の光 浄土三部経』（中央公論新社、2000年）
『仏教からの心の教育をめざして』（自照社出版、2001年）
『龍樹―空の論理と菩薩の道』（大法輪閣、2004年）
『真宗がわかる20のQ&A』（探究社、2008年 第4版）

これらの著作は、専門家のみならず、一般の読者にも仏教や真宗の教えを分かりやすく伝える役割を果たしました。また、多数の学術論文も発表しており、その成果はCiNiiやINBUDSといったデータベースでも確認することができます。

逝去

瓜生津隆真は、長年にわたり教育・研究活動に尽力した後、平成27年（2015年）2月12日に肺炎のため、その生涯を閉じました。彼の学術的業績と、浄土真宗の教えに対する深い探求は、後世の研究者や信徒にとって大きな遺産となっています。

もう一度検索