生理学研究所

生理学研究所の概要

生理学研究所（National Institute for Physiological Sciences）は、愛知県岡崎市に位置する大学共同利用機関であり、自然科学研究機構の一部を構成しています。この研究所は、人体の生命活動を解明することを目的として、日本における基幹的な国立研究機関としての役割を果たしています。特に、国家事業であるナショナルバイオリソースプロジェクトにおいては、ニホンザルに関する研究を担当しています。

研究領域と施設

2023年10月の時点で、生理学研究所は以下の4つの研究領域を有しています。この機関の研究は、最前線の科学技術を用いて、生理学の基本的な問いに挑戦し続けています。

1. 分子細胞生理研究領域 - 生体の基本的な分子機構を研究する。
2. 生体機能調節研究領域 - 生体の恒常性維持に関するメカニズムを探求。
3. 基盤神経科学研究領域 - 脳と神経系の働きを中心に研究。
4. システム脳科学研究領域 - 脳の機能をシステムとして理解することを目指す。

また、研究を支えるための技術センターとして、以下の施設も整備されています。

• - 研究連携センター - 各研究者や外部機関との連携を促進。
• - 脳機能計測・支援センター - 脳の機能を計測・解析するための設備。
• - 行動・代謝分子解析センター - 生物の行動や代謝に関する測定を行う。
• - 情報処理・発信センター - 研究成果を効率的に処理・共有する役割。
• - 動物資源共同利用研究センター - 動物を用いた研究のための資源を提供。

動物実験センターや生命創成探求センターと連携し、研究活動をさらに進展させています。また、経理業務などの管理は岡崎統合事務センターが担当しており、スムーズな運営が行われています。さらに、総合研究大学院大学の大学院生に対する教育も実施されています。

沿革

生理学研究所の歴史は1967年にさかのぼります。その年、日本学術会議が人体基礎生理学研究所の設立を内閣総理大臣に勧告しました。1977年には文部省生物科学総合研究機構において、生物科学総合研究機関として正式に創設されました。1981年には分子科学研究所と統合し岡崎国立共同研究機構が形成され、2004年には法人化されて大学共同利用機関法人自然科学研究機構となりました。

一般公開とアクセス

生理学研究所は、3年ごとに研究施設の一般公開を行っています。前回の公開は2017年に実施され、多くの一般市民に研究内容を紹介しました。

最寄り駅は名古屋鉄道本線の東岡崎駅で、乗り換えを行えば名古屋鉄道やJRの主要な駅からアクセス可能です。中部国際空港からも直行バスや名鉄を利用して1時間ほどで到達できます。駅からは南口を出て徒歩5分ほどで、研究所に着くことができます。

関連機関

生理学研究所は、自然科学研究機構や基礎生物学研究所、分子科学研究所など、他の研究機関とも密接な関係を持ち、共同研究を推進しています。また、京都大学霊長類研究所や名古屋大学との連携も進めており、生理学の研究において国際的な発信も目指しています。

もう一度検索