生田真人

生田 真人

生田 真人（いくた まさと）氏は、1952年5月30日に大分県宇佐市に生を受けた日本の地理学者です。経済地理学を専門分野とし、長年にわたり日本の大都市や東南アジアの主要都市が抱える産業の立地問題、都市政策のあり方、そしてそこに暮らす人々の生活に着目した研究に従事しました。立命館大学名誉教授として、後進の指導にもあたりました。

経歴

生田氏の学術的な歩みは、1976年に鹿児島大学法文学部を卒業したことから始まります。その後、大阪市立大学大学院文学研究科博士課程前期課程へ進学し、さらに博士課程後期課程へと進みました。1980年には博士課程後期課程を中途退学しましたが、研究の道を続け、東京都立大学理学部助手として新たなキャリアを開始しました。

1985年には大阪市立大学経済研究所へ転じ、講師として研究教育活動に携わります。1988年には助教授へ昇任し、同時に大学院経営学研究科も兼任するなど、幅広い視点から都市・地域経済に関する知見を深めました。

国際的な視野を広げるため、1992年から1993年にかけてマレーシアのマラヤ大学に客員研究員として滞在。この経験を通じて、発展途上国社会の現実的な状況に触れる機会を得、その後の研究に大きな影響を与えました。

1996年、立命館大学文学部教授として着任。ここでは地理学専攻や地域観光学専攻において教育・研究を主導し、多くの学生を指導しました。また、学内運営にも積極的に関与し、1998年から1999年には立命館・UBCジョイントプログラムのオンサイト教務主任としてカナダのブリティッシュコロンビア大学へ派遣されました。さらに、2001年から2004年にかけて教学部副部長を務めるなど、要職を歴任しました。

学術的な業績としては、2002年に「マレーシアの都市開発 歴史的アプローチ」に関する研究により、大阪市立大学から博士（文学）の学位を取得しています。

立命館大学在籍中も国際的な研究交流を続け、2004年から2005年にはシンガポールの東南アジア研究所（ISEAS）客員研究員、香港大学客員研究員、マレーシアサインズ大学客員教授などを歴任。2010年には再びISEAS客員研究員、ブリティッシュコロンビア大学アジア研究所客員教授を務めるなど、アジアや北米の主要な研究機関との連携を深めました。

また、2011年から2014年には立命館大学評議員の任にあたるなど、大学運営の中枢においても貢献しました。

2018年、長年の教育研究活動を終え、立命館大学を定年退職。その後、同大学より名誉教授の称号を授けられました。

この間、経済地理学会、日本地理学会、人文地理学会といった主要な地理学関連学会において、様々な役職を歴任し、学会の発展にも寄与しました。

主な著作

生田 真人氏の研究成果は、多くの著作として発表されています。

単著

『大都市消費者行動論-消費者は発達する-』（古今書院、1991年）
『マレーシアの都市開発ー歴史的アプローチー』（古今書院、2001年）
『関西圏の地域主義と都市再編－地域発展の経済地理学－』（ミネルヴァ書房、2008年）
『東南アジアの大都市圏―拡大する地域統合―』（古今書院、2011年）

分担著書

『世界の大都市シリーズ6 バンコク・クアラルンプル・シンガポール・ジャカルタ』（東京大学出版会、1989年）
『ビジターズ・インダストリーの発見』（近畿商工会議所連合会、1998年）
『アジアの大都市3 クアラルンプル・シンガポール』（日本評論社、2000年）
他多数。

生田氏は、経済地理学の視点から、変わりゆく都市とそこに暮らす人々の関係性、特に国際的な視点からアジアの大都市が直面する課題と発展のプロセスを深く掘り下げ、その研究成果は国内外で高く評価されています。

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