田切駅

田切駅（たぎりえき）

田切駅は、長野県上伊那郡飯島町田切に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）飯田線の駅です。単式ホーム1面1線を有する高架駅で、築堤上に設置されています。駅は伊那市駅が管理する無人駅で、駅舎はありませんが、ホーム上に待合所が設けられています。

歴史

田切駅の歴史は、1918年（大正7年）2月11日に伊那電車軌道（後の伊那電気鉄道）が伊那福岡駅から飯島駅まで延伸した際に、田切停留場として開業したことに始まります。当時は旅客駅として機能していました。

1943年（昭和18年）8月1日には、伊那電気鉄道線が国有化され、飯田線の一部として鉄道省（後の日本国有鉄道）に引き継がれました。この際、田切停留場は田切駅に昇格しました。当初は、東海道本線の浜松～名古屋間の各駅、飯田線の各駅、中央本線の上諏訪～塩尻間の各駅、そして松本駅を発着する旅客のみが利用可能でした。

その後、1954年（昭和29年）1[[2月1日]]には、東京都区内の各駅や長野駅を発着する旅客も利用できるようになり、1970年（昭和45年）2月1日には旅客発着駅の制限が廃止され、無人駅となりました。

現在の場所に移転したのは1984年（昭和59年）6月1日のことです。それ以前は、現在地から約150mほど北側の地上に駅がありましたが、急カーブの途中に位置していたため、車掌の安全確認が困難であったことが移転の理由です。旧駅には駅舎があり、その跡地には記念碑が建てられています。旧駅のホームにあった保線用列車監視ヤグラは、旧ホームが撤去された現在でも残されています。

1987年（昭和62年）4月1日には、国鉄分割民営化に伴い、JR東海の駅となりました。1998年（平成10年）5月30日には、現在の待合室が完成しました。

駅構造

田切駅は、高架上に単式ホーム1面1線を有する無人駅です。駅舎はありませんが、ホームには待合所が設置されています。かつては地上にありましたが、急カーブ上に位置していたため、1984年に現在地に移転しました。

利用状況

長野県統計書によると、田切駅の1日平均乗車人員は以下の通りです。

2007年度：53人
2009年度：52人
2010年度：51人
2011年度：46人
2012年度：43人
2013年度：38人
2014年度：33人
2015年度：32人
2016年度：38人
2017年度：40人
2018年度：48人

駅周辺

田切駅の周辺には、以下の施設や名所があります。

国道153号
聖徳寺
関の地蔵尊
道の駅田切の里
飯島町田切の孔子廟（駅から徒歩5分）
中田切川の鉄橋周辺にある「Ωカーブ」（鉄道撮影の名所）

バス路線

飯島町が運営するコミュニティバス「いいちゃんバス」が、田切駅を経由しています。「地域線（北部地域、東方面）」として、飯島駅～田切駅～中央道バス停留所・上山交差点を結び、1日4往復運行しています（事前予約型のデマンド式）。

その他

田切駅は、漫画『究極超人あ～る』のOVAに登場したことで、アニメファンにとっての「聖地」となりました。1991年の公開直後から多くのファンが訪れるようになりましたが、同時に待合室への落書きが多発しました。そのため、1993年に結成された「田切ネットワーク」が、2022年現在に至るまで、待合室や駅周辺の清掃活動を定期的に行っています。落書き対策として、ノートと駅スタンプを設置したり、JR東海がイベント用に保有していた車両を使用した貸切列車イベントも開催されました。これらの列車では、OVA作中の「電車と競争」を実際に体験することができました。2012年からは、同作にちなんで駅間を自転車で走るイベントも開催されています。

また、2012年には伊那市駅開業100周年を記念したイベント（「飯田線マニアックス」および「伊那電伊那まつり巡行」）の監修も行いました。さらに、2018年7月28日には、アニメの「聖地巡礼」発祥の地を示す碑が、駅に隣接する聖徳寺の駐車場に建立されました。現在も多くのファンが訪れ、駅待合室に置かれたノートに書き込みをしています。

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）飯田線

■快速「みすず」：通過
■普通：飯島駅 - 田切駅 - 伊那福岡駅

※国有化以前は、飯島駅 - 当駅間に伊那赤坂停留場が存在しました。

脚注

曽根悟（監修）、朝日新聞出版分冊百科編集部（編集）「飯田線・身延線・小海線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第3号、朝日新聞出版、2009年7月26日。

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]
田切

外部リンク

JR東海 田切駅時刻表
田切ネットワーク (2013年4月からNPO法人)

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