田島裕和

田島裕和：名馬と共に駆け抜けた騎手人生と、調教助手としての現在

田島裕和氏は、1966年生まれの元騎手で、現在は調教助手として活躍しています。滋賀県栗東市出身（兵庫県宝塚市生まれ）で、名馬タニノチカラの主戦[[騎手]]を務めた田島日出雄氏を父に持ちます。幼少期から競馬に囲まれた環境で育ち、自然と騎手への道を志すようになりました。

競馬学校1期生として入学後、1985年に騎手免許を取得。栗東・福島勝厩舎からデビューを果たします。同期には、石橋守氏、上籠勝仁氏、須貝尚介氏、林満明氏といったそうそうたるメンバーが名を連ねています。

デビューイヤーは12勝を挙げ、その後も4年間連続で2桁勝利を記録するなど順調な滑り出しを見せました。しかし、若気の至りで、騎手仲間と飲みすぎるようになったことが、師匠である福島氏との間に亀裂を生む原因となります。このことがきっかけでフリーとなり、一時的に勝利数が減少する苦しい時期も経験しました。

しかし、田島氏は考えを改め、ローカル開催にも積極的に騎乗するなど地道な努力を続けました。その結果、1990年には2年ぶりに2桁勝利を達成。1991年には、福島記念でヤグラステラに騎乗し、ツインターボやユキノサンライズといった強豪を破って重賞初制覇を飾ります。この勝利は、悪天候の中、馬場の状態を的確に判断し、ヤグラステラを最高の状態でゴールへ導いた手腕が光るものでした。

その後も活躍を続け、1993年には自己最多となる28勝を記録。1996年にはスギノハヤカゼとのコンビでアーリントンカップ、中日スポーツ賞4歳ステークス、スワンステークスを制覇。スワンステークスでは当時の日本レコードとなる1分19秒3という驚異的なタイムを記録しました。

スギノハヤカゼとのコンビは、短距離路線で多くの勝利をもたらしましたが、GI制覇には届きませんでした。雨馬場が苦手だったスギノハヤカゼにとって、重要なレースで雨が降ることが多く、そのたびに惜しくも勝利を逃す場面もありました。1998年の高松宮記念では、惜しくも11着に終わっています。

その後、師匠の厩舎に戻ったり、再びフリーになったりと、様々な経験を経て2000年には落馬事故による怪我から復帰。復帰後は騎乗数が減少するものの、インターネット上に自身のホームページを開設し、ファンと交流を深めました。これは、TwitterやInstagramが普及する以前としては画期的な試みでした。

2002年からはナリタセンチュリーとのコンビで再び活躍。4歳から5歳にかけて6勝を挙げ、オープン馬へと成長させます。2004年には京都大賞典を制覇し、7年ぶりの重賞勝利を飾りました。2005年の京都記念でもナリタセンチュリーに騎乗し勝利を収め、人馬一体の素晴らしい走りを見せつけました。

そして、2006年の宝塚記念では、ディープインパクトと壮絶なデッドヒートを展開。惜しくも2着に終わりましたが、ディープインパクトに迫る素晴らしい走りで、多くの競馬ファンの記憶に刻まれるレースとなりました。

2010年に騎手を引退し、藤沢則雄厩舎の調教助手として第二の人生を歩み始めます。現在も、後進の育成に尽力しています。

田島裕和氏の騎手人生は、数々の名馬との出会い、そして幾多の困難を乗り越えた、ドラマチックなものでした。調教助手として培ってきた経験と知識を活かし、これからも競馬界に貢献していくことでしょう。彼のこれからの活躍にも期待したいところです。

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