護憲三派

護憲三派について

護憲三派（ごけんさんぱ）は、1920年代の日本において、第二次護憲運動を牽引した三つの主要政党、立憲政友会、憲政会、革新倶楽部を指します。これらの政党は、政党内閣の樹立、普通選挙の実現、貴族院の改革、行財政の改革を目指し、協力関係を築きました。その設立は、大正13年（1924年）1月18日、党首の高橋是清、加藤高明、犬養毅が集まった会合において行われましたが、翌年には革新倶楽部が政友会に吸収され、同年の加藤高明内閣の辞任に伴って消滅しました。

第二次護憲運動の背景

一般に第二次護憲運動は、憲政擁護と普選実行のスローガンを掲げて行われたとされています。この背景には、当時の日本の政党所有の構図や政権の不安定さがありました。政友会は大正9年に衆議院を解散し、その後選挙で勝利したものの、普選の実行には慎重でした。しかし、党内では個別に普選推進の声もあり、少なからず対立が存在しました。特に、政友会の与党であった清浦内閣は、普通選挙の推進を掲げていました。

政友会は、超然内閣として知られる加藤友三郎内閣を支持していたため、清浦内閣を非難するのは容易ではありませんでした。そのため、政友会内の動きは必然的に分裂傾向を強め、政友会の小泉策太郎は「特権内閣」として清浦内閣を攻撃しようとしました。また、総裁であった高橋是清は貴族院議員を辞めて衆議院への立候補を計画し、憲政会の加藤高明に対抗しようとしました。

さらに、犬養毅が率いる革新倶楽部も何らかの形で加わっており、当時の政局はそれぞれの政党が抱える緊張感や対立に満ちていました。野党に転落した加藤高明と犬養の間には、個人的な嫌悪感があったため、さらに連携は難航しました。これにより、護憲三派は表向きの団結を見せつつも、実際にはそれぞれの党が異なる立場を持っていることがうかがえます。

護憲三派の意義

護憲三派という名称は、彼らが政権移譲を求めたり、政治制度の改革を目指したことを反映しています。しかしこの呼称にこだわりすぎると、当時の政治状況の複雑さや、政党間の真正の関係性を見誤る恐れがあります。実際には、憲政会が真っ先に憲政擁護と普選実行を旗印にし、他の二つの政党とは一枚岩とは言えませんでした。

まとめ

護憲三派は日本の政党政治における重要な存在であり、彼らが抱えた様々な対立や協力の歴史は、日本の民主主義と政党政治の発展に大きな影響を与えました。当時の状況を知ることは、現代の日本政治を深く理解する一助となります。

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