北山崎

北山崎：自然が織りなす絶景の断崖

岩手県下閉伊郡田野畑村北山に位置する北山崎は、三陸復興国立公園の北部にあり、黒崎から弁天崎へと続く海岸線の中間地点に位置する景勝地です。この地は、高さ200mにも及ぶ壮大な断崖絶壁が連なり、その圧倒的な景観は、日本交通公社による全国観光資源評価において、「自然資源・海岸の部」で唯一の特A級に格付けされました。

自然の造形美

北山崎の最大の特徴は、そのダイナミックな地形にあります。海底から隆起した台地が火山活動によって形成され、その後の氷河や津波による浸食によって、現在の複雑な断崖地形が形作られました。特に、粉砕された火山砕屑岩が堆積した層が削り残された結果、奇岩が林立する独特な景観が生み出されました。断崖の麓へ続く718段の階段を下りて間近で観察することも可能です。

地理

北山崎は、黒崎から南へ続く高台の中間付近に位置します。北山崎周辺には、以下のようなスポットがあります。

黒崎: 北山崎の北に位置する景勝地。
北山崎自然歩道: 黒崎から北山浜まで続く自然歩道。北山崎を起点に、黒崎方面へ5km、北山浜方面へ3.5kmの道のりです。
北山浜: 北山崎の南に位置する浜辺。北山崎から徒歩約2時間です。
机浜:北山浜から徒歩約1時間で到着します。
北山崎展望台: 標高150mの第一展望台から第三展望台まであります。ここから周辺の絶景を一望できます。
矢越崎: 北山崎と鵜ノ巣断崖から見える、海に突き出た岬。
弁天崎: 矢越崎の南に位置し、北山崎からは見ることができません。

気象

この地域特有の気象現象として「やませ」が挙げられます。「やませ」とは、春から秋にかけて、オホーツク海気団が太平洋側に張り出すことで発生する、北東または東からの湿った冷たい風や濃霧のことです。特に、海面を覆うように立ち込める濃霧は、北山崎の幻想的な風景を演出します。

植物

北山崎周辺では、以下のような植物が見られます。

シロバナシャクナゲ/キタヤマザキシロバナシャクナゲ: 6月中旬から7月下旬に開花する白色の花で、岩手県特別天然記念物に指定されています。
ハクサンシャクナゲ: 6月から7月にかけて開花します。
ニッコウキスゲ: 6月下旬から7月にかけて開花する黄色の花です。
オオマツヨイグサ: 6月下旬から7月にかけて開花する黄色の花です。

地質

北山崎の地質は、黄褐色の塩化鉄や酸化鉄を含む火山砕屑岩で構成されています。場所によっては、粉砕された石灰岩が他の砕屑岩と混ざり合って堆積している場所もあります。岩石は、安山岩、デイサイト、玄武岩などからなり、鉄[[鉱石]]やチタン石といった鉱物も産出します。

アクセス

北山崎へのアクセスは、以下の方法があります。

車: 国道45号から岩手県道44号線を経由して北山崎展望台へ（駐車場あり）。
三陸鉄道リアス線:
普代駅から普代村営バス「黒崎線」に乗車し、終点「北山崎展望台」下車。
田野畑駅から観光乗合タクシーで北山崎展望台下車。
遊覧船:
島越漁港から遊覧船「北山崎断崖クルーズ観光船」で海上からの景色を堪能。
羅賀漁港からサッパ船アドベンチャーズ（要予約）で海からの冒険を楽しむ。

その他の情報

北山崎は、水田竜子の楽曲のタイトルにもなっています（2005年リリース）。
2023年9月より発行された350円普通切手の意匠に、北山崎の風景が採用されています。

近隣の観光スポット

黒崎: 下閉伊郡普代村に位置します。
北山浜（矢越崎）: 下閉伊郡田野畑村に位置します。
* 鵜ノ巣断崖: 下閉伊郡田野畑村に位置します。

北山崎は、その自然の美しさだけでなく、歴史や文化も感じられる魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その壮大な景観を体験してみてください。

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