畑中龍太郎

畑中龍太郎

畑中龍太郎氏は、1952年生まれの日本の官僚、外交官です。東京大学法学部を卒業後、1976年に大蔵省に入省しました。以降、大蔵省（現財務省）や金融庁で数々の要職を歴任し、金融行政の第一線で活躍しました。

キャリア

大蔵省入省後、理財局資金第一課を皮切りに、名古屋国税局調査査察部、大臣官房調査企画課などを経て、1981年からは外務省に出向し、在アルゼンチン日本国大使館で二等書記官を務めました。その後、大蔵省に戻り、銀行局や理財局で課長補佐などを歴任し、1988年には主税局税制第二課長補佐として消費税導入に関わりました。1990年代には、石川県庁に出向し、企画開発部長や総務部長を歴任しました。その後、大蔵省に戻り、プリンストン大学客員研究員として海外での研究活動も行いました。

1998年には大蔵省金融企画局信用課長に就任し、金融行政に携わるようになります。2001年には財務省理財局総務課長、その後、大臣官房文書課長を経て、2004年には近畿財務局長に就任。2005年には金融庁に移り、総務企画局審議官（企画担当）、検査局長、監督局長を歴任しました。特に、2011年の東日本大震災発生時には、金融システムの維持に奔走し、また日本振興銀行に対してペイオフを初適用するなど、金融危機への対応に尽力しました。

金融庁長官時代には、野村ホールディングスによる増資インサイダー事件や、みずほ銀行のシステム障害、暴力団組員への融資問題など、金融機関に対する行政処分を数多く下しました。2011年8月には金融庁長官に就任し、国際会計基準（IFRS）の適用延期を決定するなど、国際的な金融政策にも影響を与えました。

2014年7月に金融庁長官を退任し、同年9月には三井物産株式会社顧問に就任しました。2015年9月からはコロンビア駐箚特命全権大使として外交の舞台でも活躍しました。2018年1月からは株式会社電通顧問に就任し、その後、大和大学特任教授も務めました。2023年には、長年の功績が認められ、瑞宝重光章を受章しました。

同期入省

畑中氏と同期入省には、以下の人物がいます。

松元崇（内閣府事務次官、内閣府大臣官房長）
佐々木豊成（内閣官房副長官補、財務総合政策研究所長）
中江公人（防衛事務次官、防衛省大臣官房長）
御厨邦雄（世界税関機構事務局長）
* 荒巻健二（東京大学名誉教授、財務総合政策研究所次長）


畑中氏は、官僚、外交官、実業家、教育者として、幅広い分野で卓越した能力を発揮し、日本の発展に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

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