畠山義慶

畠山義慶（はたけやま よしのり）

畠山義慶は、戦国時代の能登国を治めた大名であり、能登畠山氏の当主として知られています。父は畠山義綱です。

生涯

1554年、畠山義綱の嫡男として生まれました。しかし、1566年に起こった永禄九年の政変により、祖父である畠山義続と父の義綱が重臣たちによって追放されるという事態に直面します。この混乱の中、まだ元服前であった義慶は、遊佐続光、長続連、八代俊盛らによって擁立され、傀儡君主として家督を継ぐことになりました。

その後、1571年には修理大夫に任じられ、1573年には能登の一宮である気多大社の造営において棟札にその名が記されるなど、義慶の活動を示す記録が残っています。この棟札は現在も石川県羽咋市に現存しており、当時の状況を今に伝えています。

しかし、1574年に義慶は急死しました。この死因については、病死説も存在しますが、有力な説としては暗殺されたというものがあります。暗殺の実行犯として名前が挙がっているのは、遊佐続光と温井景隆です。

義慶の死後、家督は弟である畠山義隆が継ぎました。

謎に包まれた生涯

義慶の生涯については、史料が不足しているため、その実像はまだ十分に解明されていません。そのため、上記の定説もあくまで仮説の域を出ないものとなっています。また、義慶と弟の義隆を同一人物とする説も存在し、この説も完全に否定されていません。

偏諱を与えた家臣

義慶は、家臣に対して自身の名から一字を与える偏諱を行っています。

国分慶胤（こくぶ のりたね）：千葉氏の一族。
三宅慶甫（みやけ のりすけ）：能登三宅氏の一族。

これらの家臣たちは、義慶から一字を授けられたことで、主君との結びつきを強固なものにしました。

畠山義慶は、その短い生涯の中で、能登の歴史に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。その実像は謎に包まれている部分が多いものの、今後の研究によって、新たな事実が明らかになることが期待されます。

もう一度検索