遊佐続光

遊佐続光（ゆさ つぐみつ）：戦国時代の能登を揺るがした武将

遊佐続光は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、能登畠山氏の重臣として知られています。畠山七人衆の一人に数えられ、能登国珠洲郡を領していました。その生涯は、主導権争いや内応、主君追放など、波乱に満ちたものでした。

生い立ちと畠山家での台頭

遊佐続光は、遊佐総光の子として生まれました。元服の際には、主君である畠山義続から偏諱を受け、「続光」と名乗るようになります。同じく畠山七人衆であった温井総貞とは、畠山家中の主導権をめぐって激しく争いました。

加賀への逃亡と帰参

天文22年（1553年）、遊佐続光は温井総貞との大槻一宮合戦で敗れ、加賀国へと逃亡を余儀なくされました。しかし、弘治元年（1555年）に総貞が畠山義綱によって誅殺されたため、続光は能登に戻り、再び重臣として返り咲きました。

主君追放と専横

永禄9年（1566年）、遊佐続光は畠山義続・義綱父子を国外に追放するという強硬手段に出ます。そして、義綱の子である義慶を傀儡として擁立し、畠山家中でさらに権力を増大させました。天正2年（1574年）に義慶が急死すると、その死には続光による暗殺説が囁かれるほど、彼の専横ぶりは際立っていました。

織田家との対立と上杉謙信への内応

織田信長の勢力が能登にまで及ぶようになると、畠山家中で親織田派であった長続連が台頭し、続光は一時的に主導権を失います。しかし、親上杉派であった続光は、天正5年（1577年）の第二次七尾城の戦いにおいて、越後国の上杉謙信に内応。長続連の一族を皆殺しにし、上杉氏の傘下に入ることで能登の実権を完全に掌握しました。

織田信長への降伏と最期

天正6年（1578年）に上杉謙信が死去すると、織田軍が再び能登に侵攻してきます。遊佐続光は、子の盛光と共に織田信長に降伏しましたが、長一族を殺害した罪を許されず、父子共に処刑されました。ただし、異説では、降伏ではなく七尾城から逃亡して潜伏していたところを長連龍に見つけ出され、一族皆殺しにされたとも伝えられています。

遊佐続光は、戦国時代の能登において、その才覚と強引さで名を馳せた武将でした。しかし、その最期は、裏切りと権力闘争の末に、悲劇的なものとなりました。

もう一度検索