白山城 (甲斐国)

白山城の概要

白山城（はくさんじょう）は、山梨県韮崎市神山町鍋山に位置していた日本の山城です。この城は、地元の神社である白山権現に由来し、別名として鍋山砦や『甲斐国志』にて「要害城」とも呼ばれています。国の史跡に指定されています。

立地と歴史的背景

白山城は甲府盆地の北西端、標高約573メートルの地点にある独立した峰に築かれています。この地域の特徴として、釜無川の右岸にあり、釜無川が七里岩に挟まれてできた地形が広がっています。周囲には、武田信義の居館跡や、戦国時代に関わる史跡も散見され、高い歴史的価値を持つ地域です。

また、白山城の近くには、武田信義の菩提寺である願成寺や武田八幡宮なども存在します。これらの史跡は、武田氏に関連する重要な行事や伝承の地とされています。白山城から南には南烽火台、北には北烽火台と呼ばれる他の山城も存在します。

白山城の築城と利用状況

『甲斐国志』によると、白山城は甲斐源氏の祖である源清光の子、武田信義によって要害として築城されたとされています。信義の子孫である武田信光の家系は、戦国時代に在郷武士団として知られる武川衆を形成し、白山城には青木氏と山寺氏がそれぞれ守備を担当していました。

このような文脈から、白山城は武田氏の重要な拠点であり、戦国時代の記録においても武田氏への仕官が見られます。特に、天正10年（1582年）には、武田氏の滅亡と共に城の運命も大きく変わりましたが、同年の天正壬午の乱では、武川衆の青木氏と山寺氏が白山城に配置され、地域の防衛に努めていました。

江戸時代初期の寛文年間に廃城となりますが、その遺構は今日まで保存されています。

遺構の特徴

白山城の遺構は、山の頂上を中心に曲輪、土塁、横堀、堀切、竪堀などの様々な構造物が残されており、この地域における中世城郭の中でも貴重な例とされています。本丸は約25メートル四方の広さを有し、虎口が2カ所設けられています。また、南には一段下がった二の丸が存在し、本丸と二の丸の間には横堀が掘られています。

白山と白山権現の関係

白山城跡の南東には白山権現（白山神社）が位置しており、ここは地域住民にとって有名な神社です。歴史的には、白山神社は徳川氏の朱印状を受けたこともあり信仰を集めていました。神社の役割は、地元の祭事や伝説とも結びついており、武田氏の家紋や、地域の神々への信仰が色濃く反映されています。

保存活動と研究

1983年に土石採取が予定された際、地域の住民や研究者たちの反対運動が起こり、その結果として保存活動が進められました。その後も、様々な研究や調査が行われ、白山城跡は1992年に県史跡に、2001年には国の史跡に指定されています。このような活動により、白山城の歴史や文化的価値が明らかになり、日本の城郭研究の一環としても重要な役割を果たしています。

結論

白山城は、日本の歴史に深く根ざした城郭であり、その遺構や周辺の史跡が多くの興味と研究の対象となっています。武田氏との関係や地域の信仰、歴史的背景を学ぶための貴重な資源であると言えるでしょう。

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