白山比咩神社 (恵那市)とは？意味をやさしく解説

白山比咩神社

白山比咩神社（しらやまひめじんじゃ）は、岐阜県恵那市山岡町下手向に鎮座する神社です。

祭神

主祭神として菊理姫神、伊邪那岐、伊邪那美を祀り、左祭神に天忍穂耳、右祭神に大己貴大神を祀っています。

祭事

例祭は毎年10月第2月曜日（体育の日）に行われます。

歴史

創建

往古、伊勢神宮内宮の祠官であった荒木田氏の一族がこの地に移り住み、原野を開拓して荒木郷を築きました。神亀元年（724年）8月30日、荒木田信足が加賀国の白山三座の御分霊を美濃国恵那郡遠山荘の雲路山に奉迎し、神社を創建しました。この時、伊勢神宮外宮の祠官である度会氏の渡會久光の次男、渡會久主を招き、社主として荒木郷の総鎮守とし、「白山宮」と称しました。

中世

神社の東方には神戸、神田、油田といった地名が残り、中世には非常に栄えていたと考えられます。天正2年（1574年）、武田勝頼が東濃へ侵攻した際、白山宮の神域および別当寺であった二百山應龍寺、比丘寺、末社の神田明神が共に焼討に遭いました。天正3年（1575年）には権殿（仮拝殿）が建てられ、祭祀が再開されました。

江戸時代

貞享元年（1684年）に白山宮の再建が行われ、享保元年（1716年）には石垣や石段が造築されました。しかし、その後の濃尾地震で被災し、修理が行われました。その後、一の鳥居（猿爪村水上鳥峯）、二の鳥居（原村の中田）、三の鳥居、表鳥居が建立され、毎年八朔の祭りには馬が献上され、原村の大馬場・小馬場にて「馬祭り」が開催されました。

修験者との関わり

中世には、郡上郡の白山中宮長瀧寺に関わる天台宗系の修験者が、應龍寺と比丘寺に住みながら白山宮に奉仕していたと考えられています。

杉の巨木

安永8年（1779年）には、困窮のため、境内にあった杉の巨木七本と松、樅が伐採され、三河加茂郡小渡村の者が買い取りました。この大杉は、年輪が千三百から千四百もあったと伝えられています。

近代

明治維新（1868年）後、境外地は没収されました。明治39年（1904年）には、国から金壱萬参千拾八円弐拾銭が支給されました。荒木郷と恵那郡七郷の内、二つの神社へ「秋の初穂」が手向村より起こっていましたが、数次の山論争議により、手向村は上下に分かれ、現在の上手向と下手向に至っています。明治44年（1871年）7月、無格社の神明神社を併祀し、白山宮から白山比咩神社に改称しました。

獅子舞

歴史

元禄15年（1702年）、信州小諸藩主であった松平乗紀が岩村藩主に移封された際、小諸の嫁獅子が城下の岩村に導入されたと伝えられています。享保年間には、その嫁獅子が下手向に伝わり、祭礼に奉納されるようになりました。大正13年（1924年）には、岩村の三浦半佐が嫁獅子を主役とした歌舞伎のさわり場面を上演するようになり、下手向でもそれを習い、白山比咩神社の祭礼に奉納するようになり、獅子芝居が始まりました。

文化財指定

平成2年（1990年）1月には、岐阜県無形民俗文化財に指定されました。保存会は、それに先立つ昭和63年6月に結成されました。平成7年（1995年）9月には、日米芸能交流のため、6道県の代表としてニューヨークのカーネギーホールで上演を果たしました。

現在の活動

毎年開催される岐阜県獅子芝居公演の前には、下手向の獅子舞会館で稽古が行われ、白山比咩神社への奉納獅子舞が受け継がれています。神社大祭においては、初日に神社から渡御し、夕方に獅子舞会館で「悪魔祓い」や「忠臣蔵七段目」などの芸題を演じます。翌日には、獅子舞会館から神社へ練り歩いて帰ります。神社大祭の2日間をかけた芸能伝承が特徴です。しかし、現在は少子化の影響により、芸を守り継いでいくことが課題となっています。

交通

明知鉄道山岡駅から徒歩で約20分です。

白山比咩神社 (恵那市)