白瑜

白瑜（はく ゆ、1554年 - 1623年）は、明代後期の官僚であり、字を紹明と称しました。彼の出身は永平府であり、その生涯は官僚としての職務と、社会正義を追求する姿勢に彩られています。

1595年（万暦23年）、白瑜は進士に及第し、その才能を認められて庶吉士に選ばれました。その後、兵科給事中に任じられ、官僚としてのキャリアをスタートさせました。1601年（万暦29年）、万暦帝が朱常洛（後の泰昌帝）を皇太子に立て、孝定太后に尊号が加えられると、白瑜は祖訓と先朝の故事を引き合いに出し、時政の規範とするよう強く請願しました。この行動は、彼の伝統と規範を重んじる姿勢を示すものでした。

1602年（万暦30年）、北京で旱魃が発生し、陝西省や河南省では黄河が涸れるという異常事態に見舞われました。礼官が万暦帝に自らの行いを反省するよう進言した際、白瑜は鉱税の弊害について上奏しました。しかし、これらの進言は受け入れられませんでした。その後、白瑜は諸官を歴任し、工科都給事中に転じました。万暦帝が乾徳台に射場を設営した際には、これに反対し、強く諫めました。さらに、宦官である王朝と陳永寿を排除するよう二度にわたり上奏しましたが、これも聞き入れられませんでした。

1603年（万暦31年）、白瑜は黄河の治水に関する上奏の一部が問題視され、広西布政使の属吏として左遷されるという不遇を経験しました。病を理由に一度は帰郷しましたが、1620年（泰昌元年）、泰昌帝が即位すると、白瑜は光禄寺少卿として再び官界に復帰しました。その後、三度転任し、太常寺卿にまで昇進しました。給事中の倪思輝や朱欽相、御史の王心一が直言を理由に左遷されると、白瑜は彼らを救うために反論の上奏を行いました。この行動は、彼の正義感と勇気を示すものです。

1622年（天啓2年）、白瑜は通政使から刑部右侍郎に任じられ、刑部尚書の職務を代行することとなりました。この時期、鄭貴妃の兄である鄭国泰の子、鄭養性が皇帝の命令を無視して本籍地から動こうとしなかったため、鄭養性の家奴である張応登が鄭養性と塞外の勢力が通じていると告発しました。孝端顕皇后の弟である永寧伯王天瑞は鄭氏を憎んでいたため、弟の錦衣王天麟と共に鄭養性が反乱を企てていると弾劾しました。しかし、白瑜は鄭養性が塞外と通じている事実はなく、この告発は誣告であると判断しました。都御史の趙南星や大理寺卿の陳于廷と共に天啓帝に報告し、張応登を誣告罪とし、鄭養性を遠方に住まわせるように求め、この裁可を得ました。1623年（天啓3年）、白瑜は刑部左侍郎に昇進しましたが、在官のまま70歳で亡くなりました。死後、彼は刑部尚書の位を追贈されました。

白瑜の子に白養粋がいます。

このように、白瑜は官僚として、また社会正義を追求する人物として、その生涯を全うしました。彼の行動は、後の時代にも教訓として語り継がれるべきものです。

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