白石宗実

白石 宗実について

白石宗実（しろいし むねざね）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した日本の武将で、陸奥の伊達氏に仕えていました。彼は「也」の字を前立にした兜をかぶっていたことで知られています。

生涯

白石宗実は、天文14年（1545年）または天文22年（1553年）に伊達氏の家臣である白石宗利の子として生まれました。宗実の祖父、宗綱も伊達晴宗に仕えており、彼の家系は長い間、伊達氏に尽くしてきた経緯があります。特に、宗実は伊達輝宗の時代からその家臣として仕官しています。

天正11年（1584年）、宗実は輝宗とその子、政宗に従い、相馬氏との戦いに軍を起こしました。翌年、政宗が反旗を翻した大内定綱の小手森城を攻撃した際、宗実はこれを破るのに多大な貢献をしました。この戦闘の結果、彼の名声は高まり、先代の輝宗が二本松義継に殺害されたことによって続いた二本松氏との局地的な抗争にも関与しました。

それでも、宗実は相馬義胤との和睦を仲介し、戦闘の終結に寄与しています。その後の人取橋の戦いでも素晴らしい戦功を上げ、天正13年（1586年）には定綱の旧領である安達郡塩松33邑を加増されることとなりました。これを機に彼は先祖代々の白石城から宮森城に本拠を移しました。

さらに、天正16年（1589年）には、伊達氏と蘆名氏の間で南奥の覇権を巡る争いがあった摺上原の戦いにも参戦し、再び武功を発揮します。このような活躍が評価され、白石宗実は武将としてさらに注目を浴びていくことになります。

天正18年（1591年）、彼の主君である政宗が豊臣秀吉に従い、岩出山に移封されることが決まります。この際、宗実の所領であった安達郡は没収され、代わりに胆沢郡水沢城主として15,000石の領地を与えられました。

文禄2年（1593年）からは、豊臣氏による文禄・慶長の役に参加し、朝鮮へ渡海します。しかし、慶長4年（1599年）には朝鮮から帰国した直後、山城国の伏見で亡くなりました。享年は47または55歳とも言われています。宗実には跡取りの男子がいなかったため、娘婿の梁川宗直が白石氏の家督を継ぎました。

逸話

白石宗実には興味深い逸話があります。政宗が14歳の頃、彼は気持ちを鼓舞するために、宗実の9歳の独り娘を男装させ、自身の側に仕えさせたと言われています。この少女はその後、白石宗直に嫁ぐことになります。

宗実の生涯は、戦国時代における武士の忠誠心や家族の絆、政治的な戦略など、多くの要素を反映した時代の象徴とも言えるでしょう。

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