白蓮紅蓮

白蓮紅蓮（びゃくれんぐれん）

菊池幽芳の小説『白蓮紅蓮』は、1921年（大正10年）に『大阪毎日新聞』と『東京日日新聞』で連載されました。翌1922年（大正11年）には大阪毎日新聞社から上下全2巻で刊行され、菊池幽芳の家庭小説ブームを牽引しました。

小説と映画

菊池幽芳は、『己が罪』、『乳姉妹』、『月魄』、『百合子』、『毒草』など、発表する作品が次々とベストセラーとなり、「家庭小説」というジャンルを確立しました。彼の作品は初期の日本映画に多く採用され、『白蓮紅蓮』もその一つです。

『白蓮紅蓮』は、新聞連載の翌年である1922年（大正11年）に、松竹蒲田撮影所と帝国キネマ演芸がそれぞれ映画化しました。松竹蒲田版は同年4月11日に公開され、賀古残夢が監督を務め、諸口十九が主演しました。一方、帝キネ版は監督不明、伊村義雄が主演で、公開日は不明ですが同年中に公開されました。

残念ながら、現時点で映画『白蓮紅蓮』のいずれのバージョンも、東京国立近代美術館フィルムセンターには所蔵されていません。

入手と閲覧

小説『白蓮紅蓮』は、2020年（令和2年）4月現在、1924年（大正13年）版の全集の復刻である1997年（平成9年）版以外は全て絶版となっています。青空文庫には収録されていませんが、国立国会図書館の「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧・ダウンロードが可能です。

映画の詳細

松竹蒲田版（1922年）

監督：賀古残夢
脚本：伊藤大輔
原作：菊池幽芳
製作：松竹蒲田撮影所
上映時間：7巻
フォーマット：白黒、スタンダードサイズ、サイレント
公開日：1922年4月11日
配給：松竹キネマ
初回興行：浅草・松竹館
キャスト：諸口十九、川田芳子、五月信子、関根達発、岡本五郎、東栄子、正邦宏

帝国キネマ演芸版（1922年）

監督：不明
脚本：不明
原作：菊池幽芳
出演：伊村義雄
製作：帝国キネマ演芸
上映時間：不明
フォーマット：白黒、スタンダードサイズ、サイレント
公開日：1922年
配給：帝国キネマ演芸

書誌情報

『白蓮紅蓮』、大阪毎日新聞社、1922年
『幽芳全集 第12巻』、国民図書、1924年
『菊池幽芳全集 第1-4巻』、改造社、1933年
『菊池幽芳全集 第12卷』、日本図書センター、1997年5月 ISBN 4820581910

外部リンク

白蓮紅蓮（松竹蒲田版） - 日本映画データベース
* 白蓮紅蓮（帝キネ版） - 日本映画データベース

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