白雨会

白雨会についての解説

白雨会（むらさめかい）は、日本の無教会派キリスト教を基盤とする学生団体です。このグループは、主に東京大学、慶応大学、一橋大学そして第一高等学校の学生によって構成されています。特に、その起源は内村鑑三の弟子たちにあります。

歴史の背景

白雨会の歴史は、内村鑑三の弟子たちが結成した柏会の発展にさかのぼります。この柏会が設立されたのは、1910年のことです。これから2年後の1912年、秋に『聖書之研究』誌に掲載された記事によって、一般の読者も聖書研究会に参加できることが広まりました。これをきっかけに、矢内原忠雄や坂田祐をはじめとする多くの参加者が集まり、活動を開始しました。

その後、1911年のクリスマスイブに、会の新たな結成が発表されると、メンバーは矢内原の指導の下で集まりました。そして1912年1月30日から正式に白雨会として活動を始めることが決定され、内村によってこの名称が付けられました。

この団体は、メンバーの住居や家庭にて集会を開催し、主に祈祷を中心とした愛の交わりを大切にしていました。白雨会は柔らかい大地を耕す神の恵みである「白雨」を名称に込めており、それは詩篇65篇10節から由来しています。このように、白雨会は信仰を育む場として重要な役割を果たしてきたのです。

白雨会のメンバー

白雨会には、時代を代表する多くの著名なメンバーが所属していました。例えば、南原繁は東京大学の総長を務めましたし、坂田祐は関東学院院長を歴任しました。また、高谷道男は桜美林大学経済学部長として教育界にも名を馳せています。おそらく、これらの学識者や専門家が集うことで、白雨会は独自の文化を育んできたのでしょう。

その他にも、医学者の星野鉄男や行政に携わった松田享爾、さらに慶應大学の文学部教授である鈴木錠之助など、多彩なバックグラウンドを持つメンバーが参加していました。この多様な人材によって、白雨会はクリスチャン学生同士のつながりだけでなく、学問や研究の面でも交流を促進する場となったのです。

白雨会は1932年まで活動を続け、その後の日本における無教会派の動きに影響を与えました。ただの宗教的な集まりを超え、知識や信仰の普及には欠かせない団体として、世代を超えたつながりを築いていました。

参考文献

• - 鈴木範久『内村鑑三』 岩波書店 1983年
• - 関根正雄『内村鑑三』 清水書院 1979年

日本の無教会派の歴史に触れる際、白雨会は無視できない存在であり、そこに名を連ねた人物たちもそれぞれの分野で大きな影響を与えています。彼らの活動が今日の日本にどのように繋がっているかを考えることは、信仰持つ者にとっても重要な意味を持つでしょう。

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