百済王勝義

百済王 勝義の生涯

百済王勝義（くだらのこにきし しょうぎ）は、平安時代初期の日本における重要な政治家であり、公卿でした。彼は従四位下の百済王元忠の孫であり、従五位上の百済王玄風の子供として生を受けました。勝義は、従三位の地位にまで上り詰め、宮内卿としても知られています。

若き日の学びと官歴

勝義は若い頃から教育に励み、大学寮での詩文や文学に対する研修を重ねました。彼は、大同元年（806年）に大学少允に任命され、その後も昇進を重ねました。大同4年（809年）には右京少進に転任し、さらには嵯峨天皇の時代、弘仁6年（815年）には蔵人兼左衛門大尉に任命されました。

特に弘仁7年（816年）、嵯峨天皇が水生野で狩猟を行った際、勝義はその場にいたため、従七位下から八階分の昇進を果たし、従五位下に叙爵されました。その後は弘仁10年（819年）にも左衛門佐に昇格し、弘仁12年（821年）にはついに従五位上にまで昇進しました。

その後、彼は地位を変え、弘仁13年（822年）には但馬守として地方官職についてからも着実にキャリアを築いていきました。淳和天皇の時代には、美作守、右京大夫、左衛門督といった要職を務め、昇進を重ねていきました。天長4年（827年）には正五位下、天長6年（829年）には遂に従四位下に昇進しました。

仁明天皇の承和2年（835年）には従四位上となり、その後宮内卿を経て、承和6年（839年）には公卿として従三位に昇進しました。

晩年と趣味

年を重ねて政界を引退した後、勝義は河内国讃良郡の山麓で穏やかな生活を送りました。この頃には鷹狩りを盛んに行い、これを療養生活の一部として楽しんでいたと言われています。彼は、豊かな自然に囲まれた地で平穏な日々を享受していました。

勝義は斉衡2年（855年）7月に76歳で逝去し、散位従三位の位を持ったまま亡くなりました。その生涯を通じて得た知識と経験は、後世の人々にも影響を与え続けています。

狩猟の逸話

勝義の生涯の中には、伴友足と共に狩猟を行った逸話があります。彼が鹿を仕留めた際、獲物の肉をどのように扱うかについて、彼と友足の考え方は大きく異なっていました。勝義は、自ら仕留めた肉を必ずしも分け与えることはありませんでしたが、友足はそれを天皇に献上し、残りを諸大夫に分け与える心配りがあったのです。この逸話は、彼の性格や人間性を垣間見る一助となっています。

周囲の人々は、勝義が誤って浄土に送られた際には訴えて地獄に行かせてあげると冗談を言ったと言われており、これは勝義が持つ人間的な側面を示す面白いエピソードの一つです。

官歴

以下は、勝義の詳細な官歴です：

• - 大同元年（806年）：大学少允
• - 大同4年（809年）：右京少進
• - 弘仁6年（815年）：蔵人兼左衛門大尉
• - 弘仁7年（816年）：従五位下
• - 弘仁10年（819年）：左衛門佐
• - 弘仁12年（821年）：従五位上
• - 弘仁13年（822年）：但馬守
• - 天長4年（827年）：正五位下
• - 天長6年（829年）：従四位下、右京大夫
• - 承和2年（835年）：従四位上
• - 承和6年（839年）：従三位

勝義の一生は、彼が政治や文化の発展に寄与したことを示しており、その記録は『六国史』などの資料によって残されています。

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