相乗温泉

相乗温泉は、青森県平川市に位置し、秋田県との県境に近い矢立峠の麓に湧く温泉です。泉質は単純温泉と含鉄食塩泉の2種類で、源泉温度は45～76℃と高温。源泉掛け流しで、神経痛、リューマチ、胃腸病、冷え性、婦人病などに効能があるとされています。

温泉街は、国道7号沿いの平川の源流、相乗沢川付近に位置し、一軒宿の温泉旅館「羽州路の宿 あいのり」があります。国道の反対側には、奥羽本線旧線の廃線跡が残っており、鉄道ファンにとっても興味深い場所です。

相乗温泉の開湯は1955年。当初は一軒宿でしたが、1969年頃には温泉プールなどのレジャー施設を備えた大規模な温泉ホテルとして人気を集めました。「ウォーターコースター、走る水しぶき、目もくらむこの速さ、エキサイティングハードに、あいのり温泉」といったCMソングが青森県内や近隣県で放送され、親しまれていましたが、1998年に倒産。その後、しばらく廃墟となっていました。

2004年、老人健康施設「グループホームあいのり」と併設する形で、小規模な温泉旅館「羽州路の宿あいのり」として再開。6年ぶりに復活を遂げました。

NHKテレビの紀行ドキュメンタリー番組『新日本紀行』では、1970年に相乗温泉が紹介されました。番組では、奥羽本線の矢立峠越えに挑むD51三重連の雄姿と、温泉プールで賑わう相乗温泉の様子が映像に収められています。

アクセスは、東北自動車道碇ヶ関ICから国道7号を経由して約6分。JR奥羽本線津軽湯の沢駅からは徒歩約40分です。秋北バスや弘南バスのバス停からもアクセスできます。

周辺には、古遠部温泉、秋元温泉、矢立峠、道の駅やたて峠、矢立温泉、日景温泉などの観光スポットがあります。

相乗温泉は、かつてのにぎわいを経て、現在は静かに湯治を楽しめる温泉地として、訪れる人々を癒しています。

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