相国寺の戦い

相国寺の戦い（しょうこくじのたたかい）

相国寺の戦いは、応仁元年（1467年）10月3日から4日にかけて、現在の京都市上京区で繰り広げられた、応仁の乱における重要な戦闘です。この戦いは、乱の中で最も激しい戦闘の一つとされ、戦局の転換点となりました。

戦いの背景

大内政弘の西軍への加勢により勢いを増した西軍は、9月の東岩倉の戦いで東軍を破り、京都北東部へと追い込みました。この勢いに乗じ、西軍は10月3日に更なる攻勢を開始。東軍が拠点とする花の御所、相国寺、内裏への進軍を開始しました。畠山義就、大内政弘、一色義直らの西軍勢は、朝倉孝景軍と合流し、相国寺とその周辺に布陣する東軍に攻撃を仕掛けました。

相国寺は、細川勝元の猶子である細川勝之や、勝元の家臣である安富元綱、武田信賢らが守備。一方、南方の烏丸殿、内裏、三条殿は、京極持清らが守っていました。

戦闘の経過

畠山義就と朝倉孝景の軍勢は、まず相国寺への攻撃を開始。激しい攻防の末、武田軍を退却させ、相国寺を焼き討ちにしました（一説には、西軍に内通した相国寺の僧が放火したとも）。烏丸殿、内裏、三条殿の兵も戦況を見て逃亡し、西軍は相国寺を制圧しました。花の御所は相国寺のすぐ西側に位置していたため、西軍の攻撃を受けましたが、半分を焼失しながらも陥落は免れました。

東軍は一旦退却した後、畠山政長らの援軍を得て反撃に転じました。相国寺跡地に陣取っていた一色軍と六角高頼軍を急襲し、打ち破り、相国寺を奪回しました。しかし、朝倉孝景が再び軍勢を率いて相国寺の占拠に成功し、一旦休戦となりました。

戦いの影響

西軍は相国寺を一時的に奪取したものの、この戦闘は双方に多大な死傷者を出す消耗戦となりました。相国寺の戦い以降、両軍の間での大規模な衝突は減少し、散発的な戦闘が中心となります。そして、戦場は京都から地方へと広がり、相手陣営の有力武将を調略する戦略へと変化していきました。

相国寺の戦いは、応仁の乱の戦局を大きく左右する出来事であり、その後の戦乱の様相を決定づける重要な転換点となりました。

参考文献

河合正治『足利義政 - 盛り上る社会意識と東山文化』清水書院
小川信『山名宗全と細川勝元』新人物往来社、1994年、P179 - P186
石田晴男『戦争の日本史9 応仁・文明の乱』吉川弘文館、2008年、P224 - P226
戦国合戦史研究会『戦国合戦大事典 六 京都・兵庫・岡山』新人物往来社、1989年、P41 - P43

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