真壁騒動

真壁騒動とは

真壁騒動（まかべそうどう）は、1873年（明治6年）に茨城県真壁郡（現在の筑西市、桜川市一帯）で発生した、地租改正条例に対する農民一揆です。この一揆は、石代（こくだい）相場の引き下げを要求したもので、当時の農民たちの不満や社会情勢が複雑に絡み合って発生しました。

現行の高等学校「日本史」の教科書では、三重県・愛知県・岐阜県・堺県で発生した伊勢暴動（真壁一揆）と並び、地租改正反対一揆の代表例として取り上げられています。これは、真壁騒動が当時の農民たちの不満を象徴する重要な事件であったことを示しています。

事件の経緯

1876年11月27日、茨城県真壁郡吉間村（現在の筑西市）に約300人の農民が集結し、副区長に対して強訴する事件が発生しました。これは、農民たちが直接的な行動に出ることで、自分たちの要求を訴えようとしたことを示しています。

さらに同月30日には、同郡飯塚村（現在の桜川市真壁町飯塚）で民衆蜂起が起こり、164名もの人々が捕縛される事態となりました。この蜂起は、真壁騒動が地域全体に広がっていたことを示しており、農民たちの不満が非常に大きかったことを物語っています。

研究史

1880年（明治13年）、地租改正を担当していた当局者は、和歌山県や茨城県で発生した一揆、そしてその後に発生した伊勢暴動について、次のように分析しました。当局は、これらの騒動の目的は地租改正への反対にあるとしながらも、米価の高騰も背景にあると捉えていました。

この分析は、当時の社会情勢が複雑に絡み合っていたことを示しています。単純に地租改正への反対だけではなく、経済的な困窮も農民たちの一揆の動機となっていたと考えられます。

また、木戸田四郎は、真壁騒動などの茨城の一揆や伊勢暴動が石代納問題に端を発していることに着目しました。彼は1959年（昭和34年）に、これらの騒動が単なる地租改正反対ではなく、石代納という具体的な問題に根差しているという説を唱えました。

真壁騒動の影響

真壁騒動は、単なる地方の一揆としてだけでなく、明治初期の社会情勢を理解する上で重要な事件です。農民たちの不満が爆発したこの騒動は、その後の政府の政策にも影響を与えたと考えられます。また、この騒動は、日本の歴史において農民たちがどのように立ち上がったかを示す重要な事例の一つと言えるでしょう。

まとめ

真壁騒動は、地租改正に反対する農民たちが、石代相場の引き下げを求めて立ち上がった事件です。この騒動は、単なる地方の騒動ではなく、当時の社会情勢や農民たちの不満を象徴する重要な出来事でした。真壁騒動を理解することで、明治初期の日本の社会状況や、農民たちの生活、そしてその不満を深く理解することができるでしょう。

関連情報

日本の合戦一覧
地租条例

外部リンク

* 『真壁騒動』 - コトバンク

もう一度検索