真田幸教

真田幸教：信濃松代藩の第九代藩主

真田幸教（さなだ ゆきのり）は、信濃松代藩の第9代藩主であり、贈従三位の位を授けられました。曽祖父には松平定信がいます。

生涯

真田幸教は、真田幸良の長男として生まれました。父である幸良が早くに亡くなったため、庶子ではありましたが、祖父である幸貫の跡を継ぐこととなりました。

1852年（嘉永5年）5月6日、幸貫の隠居により家督を相続し、松代藩主となりました。翌年にはペリーが浦賀に来航し、横浜の応接場の警備を担当しました。その後も、江戸湾の第六台場や本牧などの警備にあたりました。藩政においては、財政再建のため1855年（安政2年）に藩士の知行借上を実施しました。

しかし、幸教は祖父である幸貫とは異なり、若くして藩主となったため統率力に欠け、また病弱であったこともあり、藩内では佐幕派の恩田派と尊王派の真田派が対立を深めました。その結果、幸貫が登用した佐久間象山などの優秀な人材を十分に活用することができませんでした。佐久間象山が尊王派の刺客によって暗殺されると、松代藩では真田桜山率いる真田派が実権を握りました。

1863年（文久3年）、将軍徳川家茂が上洛する際、松代藩は横浜港の警備を命じられました。この頃、藩内では病弱な幸教の隠居が議論されるようになりました。そこで、まずは下野佐野藩主の堀田正衡の七男である智七郎を仮養子として届け出ました。その後、養子候補として日向高鍋藩主の秋月種任の三男である政太郎や、肥後熊本藩主の細川斉護の三男である澄之助の名が上がりましたが、最終的には伊予宇和島藩主の伊達宗城の長男である幸民が養子として迎えられました。

1866年（慶応2年）3月9日、幸民に家督を譲り、自身は隠居しました。隠居後、側室との間に4人の子供をもうけ、そのうちの幸世は成人後に別家を立て、男爵となりました。

1869年（明治2年）10月18日、35歳で亡くなりました。

系譜

父母
父: 真田幸良
母: 村上氏（側室）

正室
晴姫：松平頼恕の娘

側室
山本久：多喜
土屋久米
前嶋勝
児玉直

子女
真田幸世（四男）：長男？、生母は多喜
真田満佐（長女）：石川成徳正室、生母は直
真田与志（次女）：本多忠敬正室、生母は勝

養子
真田幸民：伊達宗城の長男

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