短周期彗星

短周期彗星とは

短周期彗星とは、その公転周期が200年以下の彗星を指します。これに対して、公転周期が200年以上の彗星は長周期彗星と呼ばれます。ほとんどの周期彗星が国際天文学連合（IAU）によって番号登録されており、その多くは短周期彗星に分類されています。

短周期彗星の軌道の特徴

彗星の軌道はしばしば不安定であり、その不安定性は公転周期が長くなるほど顕著になります。したがって、周期200年を一つの境界として、比較的安定した短周期彗星と、不安定な長周期彗星が区別されます。具体的には、公転周期200年は軌道長半径34.20 AUに相当し、これは海王星（165年、30.11 AU）と冥王星（250年、39.54 AU）の間に位置しています。

ただし、彗星は軌道離心率が非常に大きいため、離心率が1に近い場合、遠日点距離は最大68.40 AUとなり、エッジワース・カイパーベルト（約30～50 AU）を超えることもあります。

短周期彗星の具体例

最も短い周期の短周期彗星はエンケ彗星（2P）で、周期は3.30年です。短周期彗星には特有の命名規則があり、符号はP/または数字のついたnnP/で始まります。例えば、ハレー彗星（1P）やシューメーカー・レヴィ第1彗星（P/1990 V1）がその例です。対照的に、長周期彗星はC/で始まりますが、2回の回帰が観測された周期彗星は長周期であってもnnP/で始まることがあります。この分類に該当するのが池谷・張彗星（153P）です。

短周期彗星の発見状況

2006年8月の時点で、IAUに登録された短周期彗星は177個（池谷・張彗星を除く）、その他に発見された短周期彗星は約164個あり、合計で約341個が確認されています。ただし、これらの中にはすでに消滅したり行方不明になったものも含まれています。

短周期彗星の起源

短周期彗星はエッジワース・カイパーベルトから来ると考えられており、これに対して長周期彗星はオールトの雲という別の場所からやってくると言われています。短周期彗星は長期間にわたる回帰を経て、多くの揮発成分を失っているため、非常に明るい大彗星は少数しか存在しません。これに対し、目を引くような大彗星はほとんどが長周期彗星であることが多いです。

短周期彗星の分類

短周期彗星の中には、遠日点が木星、土星、天王星、海王星の軌道の外側に位置するものが多く見られます。これらの彗星は、各惑星の重力の影響によって、元々のより長い周期の軌道から現在の軌道に変化したと考えられています。これらの彗星は木星族彗星、土星族彗星、天王星族彗星、海王星族彗星として分類されますが、特に木星族彗星は頻繁に木星に接近するため、軌道の不安定性が高い傾向があります。

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