石井信忠 (安芸守)

石井信忠

石井信忠は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、肥前国の戦国大名である龍造寺氏の旗本部将を務めました。重臣である石井石見守忠次の次男として生まれ、同じく「信忠」を名乗る石井四郎左衛門信忠の母方の叔父にあたります。

生涯

父や兄と共に龍造寺隆信に仕え、その武勇から隆信より偏諱を授かり「信忠」と名乗るようになりました。永禄6年（1565年）6月、龍造寺隆信が肥前国三根郡の中野城主である馬場鑑周を攻めた際には、父である石井忠次隊に属して先鋒を務め、奮戦しました。

天正12年（1584年）、隆信の旗本として沖田畷の戦いに従軍しましたが、この戦いで戦死しました。信忠の死後、正室である大宝院（石井左衛門尉忠俊の娘）は、次男の孫六（後の鍋島安芸守茂賢）を連れて、肥前国杵島郡の俵石城主である深堀純賢に再嫁しました。その後、孫六は深堀氏（後に深堀鍋島家）の継嗣となりました。

信忠は、後の佐賀藩祖である鍋島直茂とは、多くの戦で共に戦った仲であり、深い縁がありました。その縁から、信忠の嫡男である主水佑茂里は、男子に恵まれなかった直茂の養子に望まれました。しかし、後に直茂に嫡男である勝茂が生まれると、信忠は茂里の養子縁組を解消したい意向を伝えました。しかし、直茂は「勝茂の後見役にするつもりである」として、この申し出を認めませんでした。

直茂とのこの深い縁によって、信忠の子孫は江戸時代を通じて佐賀藩の重臣として二家（横岳鍋島家、深堀鍋島家）が繁栄しました。石井信忠は、戦場での武勇だけでなく、その後の子孫の繁栄にも繋がる重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

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