石川総純

石川総純の生涯

石川総純（いしかわ ふさずみ）は、宝暦8年（1758年）に江戸で生まれました。父は石川総英（初代藩主・石川総慶の長男）です。しかし、父は総純が幼い頃に亡くなり、祖父の総慶も間もなく死去したため、家督は叔父の総尭が継ぎました。総純は叔父の養子となりますが、総尭もすぐに亡くなったため、総純が家督を継ぐことになりました。若年のため、一族の総徳が補佐しました。

安永2年（1773年）には従五位下、日向守に叙位・任官されました。しかし、安永5年（1776年）に19歳という若さで亡くなり、分家の旗本家から総博を養子に迎え、後を継がせました。

亀山藩の財政難と一揆

総純の治世下、亀山藩では厳しい財政状況を背景に、農民への負担が増大しました。特に、明和5年（1768年）には伊勢最大規模の一揆が発生しました。

藩は財政再建のため、五人組制を強化し、幕府からの甲斐治水普請の手伝いや、朝鮮通信使の接待費用を賄うために、「守山御用金」、「甲州御用金」、「桑年貢」、「茶年貢」などの名目で徴税を強化しました。さらに、年貢を免除されていた荒地を検地して年貢対象とし、米の専売制を導入して農民が自由に米を売買することを禁じました。

これらの政策に農民の不満が高まり、明和5年春には地租改正を目的とした荒地検地への打ち合わせが行われましたが、合意には至りませんでした。藩は検地を強行しようとしたため、同年9月14日から17日にかけて、伊船村の大庄屋である真弓長右衛門を頭に、83ヶ村5千6百人の農民が広瀬野に集結し、「検地中止、用金免除、茶・桑年貢廃止、大庄屋退役」を要求しました。彼らは御用達商人である西村源兵衛や大庄屋である扇屋宗兵衛の家などを打ち壊しました。

藩は総徳以下が協議し、武力による鎮定の構えを示したことで一揆を解散させました。その後、一揆側の要求に従い、大庄屋や庄屋、郡奉行、代官を罷免しました。しかし、一揆の首謀者とされた3人は処刑されました。

石川総純の系譜

実父：石川総英
養父：石川総尭
養子：石川総博（石川総恒の次男）

参考文献

『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家譜難波録』
『鈴鹿郡野史』（柴田厚二郎 1947年）
『鈴鹿郡郷土誌』（三重県鈴鹿郡教育会 1915年）

外部リンク

亀山市. “亀山市史”. https://www.city.kameyama.mie.jp/docs/2014011500018/ 2014年1月17日閲覧。

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