石川総博

石川総博（いしかわ ふさひろ）

石川総博は、江戸時代中期に伊勢亀山藩の第4代藩主を務めた人物です。伊勢亀山藩石川家9代当主にあたります。

生涯

宝暦9年（1759年）2月15日、亀山藩の支族である旗本・石川総恒の次男として江戸で生まれました。安永5年（1776年）に亀山藩主・石川総純が亡くなったため、その養子となり家督を継承しました。翌安永6年（1777年）12月には、従五位下・日向守に叙位・任官されました。

先代の総純の時代には、明和8年（1771年）に亀山藩領内が集中豪雨に見舞われ、鈴鹿川水系の安楽川と椋川が氾濫し、下流域に甚大な被害をもたらしました。藩の財政が厳しい中、藩は鈴鹿川南に二重の堤防と避水溝を築きましたが、効果は限定的でした。そのような状況下、領内で発生した「明和5年の一揆」後、作事奉行となった生田理左衛門は、農民から洪水の状況を詳しく聞き取り、藩政府に献策を行いました。その結果、安永年間（1772年 - 1780年）に入り、藩は藩債を発行するなどして資金を集め、蛇行していた鈴鹿川を直線化する大工事を理左衛門に命じました。

また、総博は孝心篤い者を賞し、天明2年（1785年）には前田冬蔵を学頭に任命し、藩校「明倫舎」を創設するなど、朱子学に基づく学問を奨励しました。寛政8年（1796年）5月6日、家督を長男の総師に譲り、隠居しました。文政2年（1819年）6月5日、江戸で死去。享年61歳でした。

系譜

実父: 石川総恒
実母: 松平信友の養女（久貝正順の娘）
養父: 石川総純
正室: 前田春子（前田利幸の娘）
子女:
石川総師（長男）
石川総予
石川総鎮
本堂親庸正室

参考文献

『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家譜難波録』
『鈴鹿郡野史』（柴田厚二郎 1947年）
『鈴鹿郡郷土誌』（三重県鈴鹿郡教育会 1915年）

外部リンク

亀山市. “亀山市史”. 2014年1月17日閲覧。


この文章は、石川総博の生涯、業績、家族構成についてまとめたものです。治水工事や藩校設立など、藩政に尽力した様子がうかがえます。また、参考文献や外部リンクも掲載されており、より深く石川総博について知ることができます。

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