石川総陽

石川総陽は、常陸下館藩の第2代藩主であり、伊勢亀山藩石川家分家の4代目にあたります。元禄6年（1693年）に、相模小田原藩主である大久保忠増の七男としてこの世に生を受けました。大久保忠増は、石川総陽の家祖にあたる石川総長の従兄弟の子にあたります。

正徳3年（1713年）4月9日、先代藩主である石川総茂の養子となり、名を総陽と改めました。その4日後の4月13日には、将軍・徳川家継に謁見を果たし、同年12月21日に従五位・播磨守に叙任されました。これにより、石川総陽は正式に武士としての身分と格式を認められました。

享保18年（1733年）9月16日に、養父である石川総茂が亡くなると、同年11月4日にその跡を継ぎ、常陸下館藩の藩主となりました。同時に、幕府において雁間詰という役職に就いています。雁間詰は、将軍の側近くに仕える役職であり、藩主としての政治活動と並行して、幕府の要職も務めたと考えられます。

元文5年（1740年）10月7日、石川総陽は養子である石川総候に家督を譲り、藩主の座を退いて隠居しました。その後、延享元年（1744年）4月10日に、52歳でこの世を去りました。短い生涯ではありましたが、その間には藩主として藩政を担い、幕府の役職も務めるなど、多岐にわたる活動を行いました。

石川総陽の系譜は以下の通りです。

実父：大久保忠増（相模小田原藩主）
実母：向井氏（側室）
養父：石川総茂（常陸下館藩主）
養子：石川総候（大久保総比の三男）

このように、石川総陽は養子として石川家を継ぎましたが、実父は別の藩の大名であり、養子に迎えた総候もまた別の家から来ています。これは、当時の武家社会において、家を維持するために養子縁組が頻繁に行われていたことを示しています。

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