石津出入口

石津出入口（いしづでいりぐち）

大阪府堺市西区に所在する石津出入口は、阪神高速道路4号湾岸線を構成するインターチェンジの一つであり、その管理番号は4-08が付与されています。この出入口の最大の特徴は、特定の方面へのアクセスに特化したハーフインターチェンジであるという点です。具体的には、大阪市内方面から南下し、りんくうタウンや泉佐野方面へと向かう車両のための出口および入口として機能します。そのため、泉大津・岸和田・泉佐野方面に向かう車両はこの出入口を利用して一般道へ降りたり、一般道から本線へと進入したりすることができます。

一方、進行方向が逆、すなわちりんくう方面から北上して大阪市内の天保山方面や、さらにその先の神戸方面を目指す場合には、石津出入口を利用することはできません。これらの方面へアクセスしたいドライバーは、一つ手前に位置する出島出入口（出島料金所、インターチェンジ番号4-07）を利用する必要があります。このように、目的地となる方向によって利用できる出入口が異なるため、利用者は事前に経路を確認し、適切なインターチェンジを選択することが求められます。

石津出入口には、利用車両が通行料金を支払うための石津料金所が併設されています。この料金所には合計2つのブースが設置されており、そのうち1つはETC（自動料金収受システム）専用レーンとなっており、ETC車載器を搭載した車両がスムーズに通行できるよう配慮されています。もう1つのブースはサポートレーンとして機能しており、係員による対応やETCが搭載されていない車両など、様々な状況に対応しています。これにより、多くの利用者が比較的円滑に料金支払いを済ませることが可能となっています。

しかしながら、この料金所の運用方法は近い将来に変更される予定です。2025年（令和7年）3月18日からは、石津出入口の入口料金所がETC専用となることが決定しています。これは、ETC利用の推進や料金収受の効率化、そして将来的なスマートインターチェンジ化を見据えた動きの一環と考えられます。この変更により、ETC車載器を搭載していない車両は石津出入口から本線へ進入できなくなるため、該当する利用者は事前にETC車載器を準備するか、あるいは近隣の他の出入口を利用するなどの代替経路を検討する必要があります。

石津出入口は、周辺地域の主要な幹線道路と密接に接続しており、地域交通網における重要な結節点としての役割を担っています。接続する主な道路としては、堺泉北港の海岸線沿いを走る大阪府道29号大阪臨海線があります。また、堺市中心部と泉北ニュータウンを結ぶ大動脈の一つである大阪府道34号堺狭山線（泉北1号線）や、かつての国道26号として地域住民に親しまれてきた大阪府道204号堺阪南線とも接続しています。これらの道路を通じて、堺市西区及びその周辺地域へのアクセスを提供し、地域内の物流や住民の移動を支えています。

出入口周辺地域は、古くから工業が盛んな堺泉北臨海工業地帯の一角を形成しています。近隣には、南海電気鉄道南海本線の石津川駅や、古い歴史を持つ路面電車である阪堺電気軌道阪堺線の石津停留場といった鉄道駅があり、公共交通機関との連携も可能な立地です。さらに、日本の産業を支える多くの主要工場がこの地域に集積しています。具体的には、日立造船、住金鋼管工場、日本製鉄瀬戸内製鉄所阪神地区（堺）、横河ブリッジ、栗本鉄工所、丸一鋼管工場、そしてコスモ石油の製油所などがあり、これらの産業拠点へのアクセスにおいて、石津出入口は非常に重要な役割を果たしています。これらの工場への物資輸送や通勤などに、この出入口が日々利用されています。

阪神高速4号湾岸線における石津出入口の位置関係を見ると、北側には前述の出島出入口（4-07）が、南側には浜寺出入口（4-09）が隣接しています。出島出入口が大阪市内・神戸方面への主要なアクセスポイントであるのに対し、石津出入口はりんくう・泉佐野方面へのアクセスを担うという、それぞれのハーフICとしての機能分担が路線上の位置関係にも反映されています。

総合すると、石津出入口は大阪府堺市西区に位置する阪神高速4号湾岸線の重要な交通結節点です。りんくう方面へのアクセスに特化したハーフインターチェンジであり、特に堺泉北臨海工業地帯に立地する多数の企業への物流・人流を支えています。2025年3月からの入口ETC専用化は利用者にとって注意すべき点ですが、今後もこの地域における主要な高速道路アクセスポイントとしての役割を継続していくことでしょう。周辺の主要府道や鉄道駅との接続もあり、地域経済活動や住民生活に不可欠なインフラの一つと言えます。

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