石田達郎

石田達郎（いしだたつろう、1918年 7月18日 - 1990年 7月19日）は、日本の実業家であり、特にニッポン放送及びフジテレビジョンの社長として知られています。彼は北海道札幌市に生まれ、札幌一中（現在の北海道札幌南高等学校）を卒業後、慶應義塾大学経済学部に進学。大学を卒業すると、鐘淵紡績を経たあと、映画プロデューサーとしてキャリアを積みました。

1954年、石田はニッポン放送に入社し、その後の1974年には社長に就任しました。この期間中、彼はフジテレビ社長や産経新聞の代表[[取締役]]も兼任し、複数のメディア企業の成長に寄与しました。特に、彼はフジサンケイグループ内でパシフィック音楽出版（現：フジパシフィックミュージック）、ポニー、キャニオンレコード（現在のポニーキャニオン）、ディノス（現：DINOS CORPORATION）といった非放送・新聞事業の企業を設立し、グループの中核をなす存在でした。

石田はフジサンケイグループの議長である鹿内信隆の忠実な側近としても知られ、その後、最高顧問に就任。信隆の後を継いで議長を務めた鹿内春雄や鹿内宏明の相談役としても重要な役割を果たしました。さらに、1973年から17年間にわたり日本ビデオ協会（現：日本映像ソフト協会）の理事長・会長を務め、音楽や映像ソフトの発展にも寄与しました。また、東京国際映画祭の初代ゼネラルプロデューサーも務めていました。

1990年 7月19日、石田は食道癌により72歳でこの世を去りました。彼の家族には、ニッポン放送制作部でディレクターをしている孫の石田誠がいます。

エピソード

石田は1966年に音楽ソフト制作会社「ポニー」を設立し、カーステレオの普及を見越して事業を展開しました。音楽業界のトレンドを鋭く見極め、訪米した際には、「モントレー・ポップ・フェスティバル」を観たりするなど、音楽文化への理解を深めていました。彼がPMP社長時代には、「帰って来たヨッパライ」のヒットにより、オールナイトニッポンが人気番組となった逸話は有名です。また、加藤和彦との合作として作られた「悲しくてやりきれない」は、彼の音楽的センスを表わしています。

石田達郎は、1970年には日本のビデオソフト産業が5000億円に成長すると予言し、その実現に向けた活動を行いました。特に、映画『小さな恋のメロディ』のプロデューサーであったデヴィッド・パットナムと親交があり、彼が製作した映画「メンフィス・ベル」には、石田への敬意が表されています。

経歴

- 1943年: 慶應義塾大学経済学部を卒業
- 1954年: ニッポン放送に入社
- 1966年: パシフィック音楽出版設立、初代社長
- 1974年: ニッポン放送代表[[取締役]]社長
- 1982年: フジテレビジョン代表[[取締役]]社長
- 1985年: ニッポン放送相談役

石田達郎の生涯は、メディアビジネスの変革と音楽・映像文化の発展に寄与した業績の連続であり、その影響は今もなお続いています。

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