石黒光義

石黒光義について

石黒光義（いしぐろ みつよし）は、文明13年（1481年）に自害した武士で、越中国砺波郡の福光城を拠点とし、一向一揆との激しい戦闘の末にその名を残しました。彼の存在は、当時の地域の歴史的な背景と大きく結びついています。

出自と家柄

光義が属する石黒家は平安時代末から続く歴史ある武士の家系です。越中国の砺波郡において、小矢部川流域を支配していましたが、彼が所属していたのは福光石黒家であり、その系譜は詳細には記録されていません。現存する家系図は主に木舟城石黒家に関するものであり、光義の系譜は明らかではありません。それでも、彼が「光房」と「光宗」の兄弟の子孫であり、石黒家の宗家に連なる一族である可能性が高いとされています。さらに、石黒家の本拠地は石黒郷の3つの地域に分かれており、光義はその上郷の領主であったと考えられています。

一向一揆との対立

文明7年（1475年）、加賀国の守護である富樫政親が一向宗の僧侶蓮如を追放した事件が引き金となり、石川・河北二郡の一向宗徒が反発し、一揆が頻発しました。フン族により追い立てられた一揆の構成員たちは、瑞泉寺に逃れたことが背景にありました。光義は、政親の命を受けて瑞泉寺討伐のために出陣し、評定を開いた際、宗徒たちの反乱が国を乱すことを恐れ、早急に行動を起こすべきだと述べました。

光義は、育王仙の宗徒にも協力を求め、討伐軍を編成しました。彼の指揮のもと、光義は福光城を出発し、出陣することが決まりました。この時、出陣に加わった軍勢は、先陣の兵士500名、惣海寺からの宗徒1000名、本陣500名、そして後陣300名を含み、総勢が1600名にも達しました。

田屋川原の戦い

光義軍が2月18日に出発すると、瑞泉寺側も多くの応援を受けており、総勢5000名を越えていました。彼らは田屋川原で待ち受け、出撃する光義軍を迎え撃ちました。接触した際、光義軍は瑞泉寺軍の予想をはるかに上回る人数に驚愕しますが、士気を保ちながら攻撃を開始しました。彼らは初めての戦闘に挑みましたが、相手の多さに次第に不安を募らせていきました。

事態は困難を極め、光義の元に集まっていた志士たちを困難な状況が襲いました。瑞泉寺方からのエスピオネージュが、彼の居城・福光城に向かって襲撃を試みた際、光義は急いで情報を得て、戦意を喪失しました。石黒軍は混乱に陥り、逃げ出すことに。結果、彼は瑞泉寺方に追い詰められ、最終的には安居寺で自害を選びました。

光義の最後は、彼と彼の忠実な家臣たち16名が共に腹を切るという形で終わり、彼の首は敵に晒されることとなりました。これは、彼が持っていた武士としての誇りを象徴するものでもありました。

参考文献

• - 木場, 明志「医王山修験から里の修験へ」
• - 草野, 顕之「医王山麓における真宗の足跡」
• - 久保, 尚文『勝興寺と越中一向一揆』

以上が、石黒光義の生涯と彼が戦った背景の概観です。彼の存在は、越中の武士としての誇りと地域の歴史の証人でもあります。

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