硝酸薬

硝酸薬とは

硝酸薬は血管を拡張させる作用を持つ薬の一種で、冠[[動脈]]疾患などの治療に用いられます。これらの薬物は、一酸化窒素（NO）の代謝物が血管平滑筋に作用し、血管を広げることで心筋への酸素供給を増大させます。

作用機序

硝酸薬は、主に冠[[動脈]]の拡張を通じて心筋に十分な酸素が供給されるように働きます。また、静脈の拡張によって前負荷を軽減し、さらに一部では細動脈の拡張も行うことで後負荷の軽減にも寄与します。ニコランジルは、カリウムチャネル開口薬としての作用に加え、硝酸薬としての効果も持ちます。

主な種類

硝酸薬の代表例として、ニトログリセリン（NTG）や硝酸イソソルビド（ISDN）があります。NTGは効果の持続時間が短く、強い降圧作用を持ちますが、ISDNは持続時間が長く、その降圧作用は比較的穏やかです。

使用形態

硝酸薬は様々な形態で使用されます。

• - 舌下錠: 狭心症発作が起きた際に用いる代表的な薬としてニトロペンが知られています。舌下で溶かすことで効果が迅速に得られ、約3分で作用が開始され、効果は約20分持続します。
• - スプレー: ミオコールスプレーは、舌下錠と同様の用途で利用され、素早く効果を発揮します。
• - 内服薬: サステイン薬として頻繁に用いられるのが硝酸イソソルビドです。ニトロールR（20mg）などがあり、日常的に服用されることが多く、症状の管理に役立ちます。しかし、予後改善効果は限定的です。
• - 注射薬: 急性の心疾患に使われることが多く、ニトログリセリン注射薬や硝酸イソソルビドが代表的です。ミオコールとして知られるニトログリセリンは特に高血圧の患者に用いられ、ニトロールは用いる際には血圧に留意しながら調整されます。用量と投与速度は患者の状態に応じて調整されます。

硝酸薬の耐性

一方で、硝酸薬は長期使用によって耐性が生じることがあります。この耐性は数日で形成されることが一般的ですが、24時間から48時間の休薬で解除できるとされています。耐性が生じた場合は、治療戦略の見直しや、使用法の変更が必要になることがあります。

注意が必要な副作用

使用にあたっては、副作用にも注意が必要です。頭痛やめまい、動悸、血圧の低下が報告されています。特に舌下錠を使用する際には、2錠以上摂取しても効果が得られない場合には、より深刻な心疾患の可能性があるため、早急な医療機関の受診が推奨されます。

まとめ

硝酸薬は心疾患の治療において重要な役割を果たす薬剤ですが、正しい使用法と副作用の管理が重要です。医療専門家の指導のもとで適切に利用し、患者の健康を維持することが求められます。

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