碌山美術館

碌山美術館：安曇野に息づく彫刻と芸術

長野県安曇野市穂高に位置する碌山美術館は、近代彫刻界の巨匠・荻原碌山（号：守衛）の生涯と作品を後世に伝える個人[[美術館]]です。安曇野アートラインにも加盟しており、地域の文化拠点として重要な役割を担っています。

荻原碌山と美術館の設立

荻原碌山は、安曇野市穂高（旧東穂高村）出身の彫刻家であり、「東洋のロダン」と称されるほど高い評価を受けています。その功績を称え、地元住民の熱意と、長野県下の小中学生を含む約30万人にものぼる人々からの寄付によって、1958年4月、美術館が開館しました。美術館設立の目的は、碌山作品と資料の収集、保存、そして一般への公開にあります。

多様な建築と展示空間

美術館は、複数の建物から構成される複合施設となっています。それぞれの建物は個性的なデザインと機能を備えており、来館者に豊かな鑑賞体験を提供しています。

碌山館: 1957年に竣工した本館は、キリスト教の教会堂を思わせる象徴的な建築様式が特徴です。今井兼次氏設計によるRC造2階建ての建物で、国の登録有形文化財にも登録されています。館内には、碌山の彫刻、絵画、書簡などの貴重な作品が展示され、その芸術家としての軌跡を辿ることができます。調度品の意匠・製作は笹村草家人、玄関扉は新宿中村屋の提供（制作は信州大学教育学部）という、多くの関係者の協力を得て完成した建物です。

杜江館: 2008年に竣工した碌山絵画室。基俊太郎氏設計のRC造2階建ての建物で、1階は荻原守衛の油彩、デッサン、スケッチを展示し、2階は図書資料室として利用されています。

第一展示棟: 1982年竣工の平屋建て（基俊太郎氏設計）。高村光太郎、戸張孤雁、中原悌二郎、柳敬助、斎藤与里など、碌山と交流の深かった芸術家の作品を展示しています。

第二展示棟: 1996年竣工の2階建て（基俊太郎氏設計）。常設展に加え、特別展や企画展も開催され、多様な芸術に触れる機会を提供しています。

グズベリーハウス: 1967年竣工のレストハウス。木造（校倉造り石葺屋根）の平屋建てで、笹村草家人設計。館内にはミュージアムショップも併設されています。

主要展示作品

美術館には、数多くの貴重な作品が収蔵されています。その中でも特に注目すべき作品として、荻原守衛の「北条虎吉像」（石膏原型は重要文化財）、「女」、そして高村光太郎の「手」などがあります。これらの作品は、日本の近代彫刻史における重要な位置を占めており、多くの来館者を魅了しています。

アクセス

JR大糸線穂高駅下車後、碌山通りを徒歩7分の場所に位置しています。安曇野の自然に囲まれた環境の中で、静かに芸術と向き合うことができる場所です。

まとめ

碌山美術館は、単なる美術館としてだけでなく、地域の文化交流拠点としての役割も担っています。安曇野の豊かな自然と調和した空間の中で、日本の近代彫刻史を学ぶことのできる貴重な場所と言えるでしょう。 多くの来館者が、ここで芸術に触れ、安曇野の文化に触れる機会を得ています。

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